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「攻めの姿勢」を具体的に定義する

収入の立て直しに関して、「精神論に留まらず、具体論として「攻めの姿勢」を定義してください」という趣旨のコメントをmasaさんからいただきました。

確かに、具体論のない精神論は、無意味な「体育会的根性論」になってしまいますが、精神論のない具体論もまた空疎なものです。従って、現状を危機であると認識し、どうしても現状を改善する必要があるという強い思いを持つ必要があります。

masaさんの現況に対する私の認識
・「30代後半で手取り給与が10万円台後半という現状」が既に危機的状況である。ここからさらに給与が下落することを想定しているのであれば、40代前半で手取り給与が10万円台半ばということになってしまう。これは、絶対に許容できない状況(生存権が侵害されかねない。)である。
・失業が危機というのは誤りである。失職したときに必死になって職探しをしなければならないような働き方をしている現在の状況が危機なのである。失職したときにすぐに買い手がつくように今すぐに働き方を変えるべきだ。
・30代後半で手取り給与が10万円台後半という現状で「収入の下落に応じて支出を削減できるか?」という記事を書いているのは、冬山で遭難している登山家たちが地球温暖化問題について考えているのと同じことである。

以上の認識に共感したことを前提に、具体論に移ります。

masaさんの結論は、「現在の職場でサラリーマンを続けるのが最も合理的(=リターン/リスクが高い)である。」です。この結論に反論をくわえると議論が長くなるので、この結論を肯定した上で考察を続けます。

命題A:現在の職場でサラリーマンを続けるのが最も合理的(=リターン/リスクが高い)である
命題B:現在の職場でサラリーマンとして得ている報酬が妥当である

命題Aと命題Bはレベルが異なる話なので、命題Aを肯定したとしても、別途、命題Bを検討する必要があるはずです。命題Aは、サラリーマン、漁師、小説家、プロレスラーのうち、どれがリターン/リスクが高いかという次元の議論です。この事例では、事実上、サラリーマン以外の選択肢のリターンはゼロなので、サラリーマンを選択することになります。これに対して、命題Bは、サラリーマンとしてのmasaさんに付けられている値札が妥当かという次元での議論です。

サラリーマンとしてのmasaさんに値札を付けているのは、会社や上司なので、まずは、会社や上司と交渉することから始めるべきです。決して、安直な独立や転職は勧めません。しかし、「給料上げてください」といっただけでは、なかなか要求は通りません。私がmasaさんの状況に置かれているとするならば、「誰が見ても、この働きなら昇給を要求するのは当然だという労働密度で2年間働く」ことから始めます。

攻めの一手 その1-最適な住居を見つける
 立地にこだわらない商売人はいないはずです。サラリーマンも同じことをすべきだと考えます。①職場まで片道30分未満、②近くに図書館その他、勉強に適した施設がある、③ハングリー精神を掻き立ててくれる施設が近くにある、④町全体が早起きであるなどが、こだわりたい条件です。なお、攻めの一手 その1は、独身だからこそ簡単にできることです。

攻めの一手 その2-朝は遅くとも5時に起きる
 5時起床、5時半に自宅を出て、6時から仕事開始です。早起き本はいくつか出ているので、読んでみるといいと思います。一直接的なメリットは、満員電車からの解放と時間の有効活用ですが、自分はその他大勢が寝ているときに既に仕事をしているという意識を持てることもメリットです。会社が開いていないというのであれば、ファミレスやホテルで朝食をとりながら、仕事や勉強をすれば問題ないです。

攻めの一手 その3-仕事の速度を速める
 masaさんの記事を読んでいて、特に反論が冗長なほどに長いと感じることがあります。文章を書くスピードを上げることから始めてみてはどうかと思います。他人の2倍のスピードで仕事をしていると確信できるまで、仕事のスピードを上げることを目指すべきです。特に、成果給で働くようになると、仕事のスピードが時給を決めるので、スピードは非常に重要です。他人の2倍のスピードで、6時から仕事を開始すれば、正午には仕事が終わっているはずです。

攻めの一手 その4-自社のことを徹底的に研究する
 自分自身の給与が低いのが、自分のせいなのか、自社のせいなのか、分かりにくいのがサラリーマンの泣き所です。自分の会社のことをよく知らない、財務諸表なども見たことないというのがむしろ普通なのでしょうか?自分の給与が低いのが、会社のせいとすれば、なぜ勤務先はそんなにイケてないのか、原因を究明すべきです。原因を究明したら、原因を除去する方策を考え、上司を通じて会社の幹部などに提案します。比較的小さな会社に勤めているのであれば、この方法をとれるはずです。

攻めの一手 その5-派遣社員の給与水準を研究する
 インターネットの発達によって、他人の給与水準を調べやすくなったのは朗報です。自分と同職種の派遣社員の給与水準をインターネットで詳しく調べます。2年後に、給与額の交渉をするときに、相場を知っていなければ交渉できません。合わせて、給与水準が高い職務内容を調べておくべきです。

攻めの一手 その6-現在の職場における正社員の地位を自らの意思で能動的に捨てる
 正午に仕事を終わらせることができるようになったら、絶対に、「職場での午後からの時間が無駄だ」と思うようになるはずです。給与額の交渉が仮に通ったとしても、正社員のままでは、正午に仕事を切り上げる働き方までは認めてもらえない可能性が高いと思います。仮に時給3,500円で6時間働けば、日給21,000円です。月給に換算して50万円弱といったところです。これでも取り立てて高い給与水準ではないですが、自分の努力で勝ち取った月給50万円は年功序列で転がり込んだ月給50万円とは全く価値が違うはずです。以降、午後からの時間を利用して、給与水準が高い職務に対応できるようにスキルをアップさせておきます。


さらに、もう一つ、一般論として言うならば、平行してすべきことがあります。それは、婚活です。テーマが外れるので詳しく言及しませんが、年頃になったら、上司や親戚が相手を見つけてくれるという時代ではないので、自ら積極的に動く必要があります。もちろん、結婚するかどうか、いつ結婚するかは個人の自由です。

こうして見ると、現在の自分を正当化するための理由を論じている暇など全くないと考えるのが常識的な結論といえると思います。健闘を祈ります。

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意味のある情報と意味のない情報 その2

南海魚さんから、以下の問題をいただきました。

「クイズ番組で優勝したものには最後に賞金を獲得するチャンスが与えられる。3つの箱A・B・Cのうち1つに賞金が入っている。優勝者はAを選択した。すると司会者は「ではまずCを開けてみましょう」といい、Cを開けるとハズレだった。そこで司会者は「どうしますか?今ならBに変えてもいいですよ?」と聞きました。
このときA,Bどちらが有利でしょうか?
(司会者は答えを知っています。) 」

ケース1-箱Aに賞金が入っている
ケース2-箱Bに賞金が入っている
ケース3-箱Cに賞金が入っている

クイズ番組を盛り上げるという性質上、いきなり優勝者が選んだ箱Aを開ける間抜けな司会者はいません。従って、まず、箱B又はCを開けるはずです。

問題では、司会者は、まず箱Cを開けています。箱Cを開けると空だったので、ケース1又はケース2に絞られます。「そうすると、確率は五分五分のように思われますが、この結論で正しいですか?」というのが、問題の問いかけだということになります。

しかし、よく考えてみると、司会者は答えを知っているので、ケース2に関しては、箱Bを開けるか、箱Cを開けるかは、司会者の意図に左右されるはずで、ケース2の場合には、司会者は常に箱Cを開けます。箱Bを開けると、その時点で結果が分かってしまうからです。一方、ケース1に関しては、箱Bを開けるか、箱Cを開けるかは司会者の意図に左右されないので、どちらの箱を開けるかは五分五分です。確率の教科書でよく出てくる、瓶の中に玉が入っているという事例でいうと、ケース1の場合には、玉Bと玉Cが入っているのに対して、ケース2の場合には、玉Cしか入っていないのと同じことです。

結局、ケース2において箱Cが開けられた確率はケース1において箱Cが開けられた確率の2倍になるということですね。Bの方が有利だということになります。

囚人の問題とは反対に、このケースでは司会者が箱Cを開けたという情報は意味のある情報だということです。設問においても、司会者に事前の知識がなければ(あるいは、優勝者の指示でCを開けたのだとすれば)、確率は五分五分になるということでしょうか?

こう考えると、何が意味のある情報かを判別することは、非常に難しいものです。危機を煽るシナリオと抱き合わされて、正常な判断力を失わされているのであれば、なおさらです。






起業者を増やすにはどうすればよいのか?

昨日の記事では、masaさんの記事に関して批判的な考察をしましたが、もちろん、masaさんの記事の全てが間違っているわけではありません。まずは、一般論や常識のレベルでのごまかしや嘘にだまされないようにすることは非常に重要なことです。

例えば、以前、最低資本金を廃止して起業し易くするような法改正が行われました。あたかも、最低資本金制度が起業の主要な障害になっているかのようです。しかし、少し考えればよく分かるように、主要な障害は、重い責任と不安定な収入にあることは明らかです。

最低資本金制度が廃止される前は、1,000万円(株式会社の場合)又は300万円(有限会社の場合)の最低資本金が要求されていました。率直に言ってしまえば、この程度の資金を貯められない人間に会社を作る資格があるとはとても思えません。それなのに、「最低資本金制度を廃止したので、起業しよう。」という口車に乗って会社を辞めてしまえば、取り返しの付かないことになります。

この程度のことは常識で考えれば明らかなように思いますが、国が率先して旗を振っているわけですので、一般論や常識論のレベルで物事を疑って考えることも大いに必要です。

一般論として言えば、サラリーマンのリターン/リスクが一番よいことに疑いはないでしょう。もし、起業者のリターン/リスクが一番よければ、もっと多くの人が起業しているはずです。従って、サラリーマンでいられる限り、サラリーマンを続けるというのが最も合理的な選択です。この選択やそのような選択を許す社会状況に対して批判はあるかもしれませんが、「一般論として、何が合理的な選択か?」という問いの答えが、「現在の社会状況を前提とすれば、サラリーマン(正社員)を続けるのが最も合理的な選択である。」という事実は動かないと思われます。

とすると、起業者の数を増やすための最も有効な手段は、「解雇制限を緩和することによって、いわゆるエリートサラリーマン(公務員を含む。)のリスクを高める」ことであって、それ以外の手段は殆ど無意味だといえます。起業にはあるレベル以上の能力が必要でしょうから、能力が高い層のリスクを増やし、サラリーマンであるという選択が損であるようにしてやるのが最も効果的なはずです。

しかし、現実には、公務員が起業者を増加させる政策を策定したり、大手新聞社の記者が起業者が少ないことを批判する記事が掲載されたりしています。

「そんなことを言うのであれば、まずは、あなた方が率先して見本を見せてください。」というのが常識ある人間の感想だと思うのですが、テレビや新聞ではそういう意見はあまり聞きません。

節約も万能ではない

ネットの接続の調子がよいので、記事をもう一本書いておきます。

以前、相互リンク先の「貯金生活・投資生活」の管理人のmasaさんが、「生活レベルの下落に応じて支出を減らせるか?」という趣旨の記事を書かれていました。その記事で、普段、節約の重要性を説いている人から批判コメントが寄せられました。その批判コメントがmasaさんにとっては意外だったようなので、捕捉しておきたいと思います。

節約というのは非常に重要です。実際に、コストカットをしていない企業はないでしょう。ですので、一般論として、節約が重要であるということは当然のことです。

それほど重要な節約ですが、しようと思えば、小学生でも幼児でもできる行為であることもまた確かです(だからこそ、人々は節約を馬鹿にして痛い目を見るわけですが。)。しようと思えば誰でもできる簡単な行為なので、節約が得意な人は、何でもかんでも節約で乗り切ろうとします。「それでいいのか?」というのが、ここでの問題です。

幸い、相互リンク先なので、具体的な情報が把握できます。その情報によると、masaさんの現状及び過去は、
・30代後半、男性、独身
入社後6ヶ月目で勤務先が破綻し、失業経験あり
・手取り月収10万円後半
・貯蓄は1,000万円以上
・家はない
・借金はない

この問題に関するmasaさんの一連の記事及びコメントを読ませていただきましたが、一貫して、一般論のレベルで物事を考えておられます。一般論のレベルで誤りがあるようないんちきな意見(あたかも起業にリスクがないかのように振舞って、起業を勧めるフランチャイザーなど)が散見されるので、そのように考えることは無駄ではないでしょうが、具体論のレベルでの考察が一切ないというのは問題だと思います(実際には、具体論のレベルの考察は記事にしづらいだけで、masaさんも、自分の頭の中では、具体論のレベルでの考察も行っているのだとは思いますが)。

具体的な情報を基礎にして、具体論のレベルで考察すると、「収入の下落に合わせて節約できるか?」という問いは、「手取り月収が10万円台前半に下落しても節約でしのごう」という結論に結びつき、この考え方を敷衍すれば、「長期の失業を節約でしのぐために、今から貯金に励もう」という結論に行き着くはずです。節約が一般論として重要であったとしても、「生存権を脅かすような収入の下落に節約で対処すること」は正しい考え方ではありません。「生存権を脅かすような収入の下落」に対処する正しい方策は、収入のアップです。

この意見に対するmasaさんのコメントは、「収入のアップといっても、転職や独立しかなく、困難である」という大意でしたが、これも一般論のレベルで考えているだけです。転職や独立をするとすれば(masaさんは、失業を大変おそれているようですが、そうなったときには、転職又は独立しか方策はないはずです。)、自分の強みはどこにあるのか、どのような選択肢があるのかを「具体的に」考えておく必要があります。

節約が得意な人は、「長期の失業も節約で凌ごう」と考えがちなのかもしれませんが、独身であっても無理ですし、家庭があればなおさらです。1年以上の長期失業者は職を得ることが難しくなるそうなので、失業したその日に、行動を起こせるように、「攻めの方策」を普段から練っておくべきでしょう。

以上の考察に基づいて、masaさんの記事に寄せられた批判コメントを正確に文章化すると、「本来するべき努力をさぼり、その埋め合わせをするために節約に走ってはいけない。節約が得意な人ほど、この誤りをおかしがちなので、注意すべきだ。」ということです。

①一般論のレベルで間違いを犯す人(年金が危ないから先物で勝負しましょうという誘いになるような人)
②一般論のレベルでは間違いを犯さないが、そこから先にいけない人(単に、だまされないというだけの人)
③一般論のレベル、具体論のレベルの何れでも対応できる人(だまされず、且つ付加価値を提供できる人)

以前に少し言及しましたが、ゼロ成長社会というのは、ゼロ以下の人は水面下に没するという厳しい社会だそうです。高度成長社会では、②のタイプでも生き残れる(ないしは、その方がむしろ合理的でさえある)社会でしたが、ゼロ成長社会では、なかなかそうはいかないのではないでしょうか?









ミネアポリス再訪

明日(6/8)から一週間、ミネソタ州ミネアポリスに行ってきます。以前に住んでいたところですが、2年半ぶりに訪問することになります。なつかしいです。

忘れてはならないものは、
・パスポート
・ESTA認証
・航空券
・国際免許証、ミネソタ州の運転免許証、国内免許証
・眼鏡

以前は、必ず、仕事ができるようにノートパソコンを持っていきましたが、今回は持っていかないことにしました。

いつもながら、長距離のフライトは疲れるので、何とかならないものかと感じます。

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