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Citibankについて その4−下がり続ける自己資本比率

“Will Citibank Survive?”という記事を読みながら、米国Citigroupの財務状況について検討しています。当ブログの記事でご紹介したManの元本保証ファンドもCitibankによる保証付きファンドですし、最近ですと、Citibankのサムライ債が日本で販売されたので、Citigroupのデフォルトリスクについては関心が高いのではないかと思います。

“Will Citibank Survive?”という記事の日付は、2008年3月17日ですので、現状は、これより悪くなっている可能性があります。

Commercial banks, however, have some advantages over brokers. They have access to the Federal Reserve, the so-called lender of ‘last resort’. Also, banks have an “invisibility cloak” to conceal assets, so it is much harder to discern what is happening to the financial capacity of commercial banks than brokers like Bear Stearns.

銀行は、証券会社と異なり、資産を隠すための「隠れ蓑(invisibility cloak)」を持っているので、銀行の財務能力を判断することは、証券会社の場合より難しいと書かれています。

まず、Citiのバランスシートを概観すると、2005年12月から2007年12月まで、負債/株主資本が一貫して上昇しています。

12.3→12.9→13.1→13.8→14.7→15.6→16.4→17.6→18.2

グラフにしてみると、一直線に近い様子でLeverageが上昇しています。これは四半期ごとのデータですが、Leverageが減少しているケースはありません。

しかしながら、筆者によると、公表されているLeverage(負債/株主資本)の計算には、のれん代などの無形資産が含まれており、これは危機的状況では何の価値もないので(no value in crisis)、これを除外してReal Leverageを計算すべきだとしています。

Real Leverageは、以下のとおりです。

21.4→22.2→22.7→23.6→25.0→27.8→31.9→35.1→41.6

この最後の41.6%という数字は、astoundingだと述べられています。英語の感覚がよく分かりませんが、astoundingというのは、surprisingよりかなり強い表現であるように思います。

Tangible equity/Tangible assetが2.3%で、正味の(=意味のない資産を除いて計算し直した)自己資本比率の近似値といってよいでしょう。”This 2.3% number is vitally important to determine whether Citi is solvent.”です。Solventというのは、支払い能力があるということです。

(続く)

<参考> 用語の説明
Will Citibank survive?という記事を参考にしながら、アメリカのCitibankの財務状況について検討しています。
→日本のシティバンク(シティバンク銀行株式会社)の財務状況についての話ではないのでご注意ください。あくまでもアメリカのCitibankの話です。
エコノミスト誌の2008年9月30日号に、懸念されていた金融機関が6つあり、そのうち、3つ(AIG、リーマン、メリル)で、これらは片がついているので、ダウにとっては明るい材料だというような記事が掲載されていました(29ページ)。そして、残り3つのうちの1つに、Citibankが挙げられていました。

今回の米国での金融危機を目の当たりにして、破綻本や口座開設マニュアルなどを読んで、海外口座を開設するのは危ないなという思いをさらに強くしました。外国の銀行の信用リスクについては情報も少ないですし、預金保険制度など制度そのものが異なるので、知識が少ないまま、海外口座を保有していると、不安でたまらないのではないでしょうか?

Will Citibank survive?という記事に挙げられている数値は、基本的な数値ですが、英語で記載されていますし、個別銘柄への投資経験が全くないという方には分かりにくいかもしれません。個別銘柄に投資されているという方には不要でしょうが、自己資本と他人資本の説明を簡単にしておきます。

自己資本と他人資本という概念を理解する上では、金融機関というビジネスモデルは格好の題材であるように思います。他人資本というのは、いわゆる負債(liabilities)で、返済の義務があります。銀行の場合、預金がこれに相当します。預金者から集めた預金は元本を保証して返済する義務がありますので、銀行にとって負債になります。これに対して、株主から出資してもらったお金は返済義務がありませんので、銀行にとって自己資本(equity)になります。自己資本は、株主資本や純資産とも呼ばれます。

他人資本=負債
自己資本=株主資本=純資産(会計に詳しい人は、三者は異なるというかもしれません。)
自己資本+他人資本=総資本
自己資本比率=自己資本/総資本
財務レバレッジ=自己資本比率の逆数=総資本/自己資本
デットエクイティレシオ=負債/自己資本=他人資本/自己資本

Will Citibank survive?という記事のなかで、Leverageと記載されているのが、デットエクイティレシオに相当します。記事中の用語を使うと、デットエクイティレシオ=Leverage=Total liabilities/Stockholder equityです。

Equity/Liabilitiesは、デットエクイティレシオの逆数です。
Equity/Liabilities=自己資本/負債=自己資本/他人資本です。

ここで、自己資本比率=自己資本/総資本=自己資本/(自己資本+他人資本)です。

他人資本が自己資本に比べて圧倒的に大きければ、自己資本+他人資本≒他人資本=負債ですので、自己資本比率≒自己資本/負債=Equity/Liabilitiesとなります。

一般に、銀行の場合、ビジネスモデルが預金(=他人資本)集めなので、他人資本が自己資本に比べて大きくなり、Equity/Liabilities≒自己資本比率となります。

なお、正確には、金融機関の自己資本比率=自己資本/リスク資産ですので、これをリスク調整された自己資本比率と呼ぶことにします。

インデックス投資ブログ界では、個別企業の財務分析は珍しい(初めて?)ですが、自己資本と他人資本の概念さえ分かれば、あとは算数ですので、過度に難しく考える必要はないと思います。

Citibankについて その3−記事を読むための基礎知識の整理

Will Citibank survive?という記事を参考にしながら、アメリカのCitibankの財務状況について検討しています。
→日本のシティバンク(シティバンク銀行株式会社)の財務状況についての話ではないのでご注意ください。あくまでもアメリカのCitibankの話です。
エコノミスト誌の2008年9月30日号に、懸念されていた金融機関が6つあり、そのうち、3つ(AIG、リーマン、メリル)で、これらは片がついているので、ダウにとっては明るい材料だというような記事が掲載されていました(29ページ)。そして、残り3つのうちの1つに、Citibankが挙げられていました。

今回の米国での金融危機を目の当たりにして、破綻本や口座開設マニュアルなどを読んで、海外口座を開設するのは危ないなという思いをさらに強くしました。外国の銀行の信用リスクについては情報も少ないですし、預金保険制度など制度そのものが異なるので、知識が少ないまま、海外口座を保有していると、不安でたまらないのではないでしょうか?

Will Citibank survive?という記事に挙げられている数値は、基本的な数値ですが、英語で記載されていますし、個別銘柄への投資経験が全くないという方には分かりにくいかもしれません。個別銘柄に投資されているという方には不要でしょうが、自己資本と他人資本の説明を簡単にしておきます。

自己資本と他人資本という概念を理解する上では、金融機関というビジネスモデルは格好の題材であるように思います。他人資本というのは、いわゆる負債(liabilities)で、返済の義務があります。銀行の場合、預金がこれに相当します。預金者から集めた預金は元本を保証して返済する義務がありますので、銀行にとって負債になります。これに対して、株主から出資してもらったお金は返済義務がありませんので、銀行にとって自己資本(equity)になります。自己資本は、株主資本や純資産とも呼ばれます。

他人資本=負債
自己資本=株主資本=純資産(会計に詳しい人は、三者は異なるというかもしれません。)
自己資本+他人資本=総資本
自己資本比率=自己資本/総資本
財務レバレッジ=自己資本比率の逆数=総資本/自己資本
デットエクイティレシオ=負債/自己資本=他人資本/自己資本

Will Citibank survive?という記事のなかで、Leverageと記載されているのが、デットエクイティレシオに相当します。記事中の用語を使うと、デットエクイティレシオ=Leverage=Total liabilities/Stockholder equityです。

Equity/Liabilitiesは、デットエクイティレシオの逆数です。
Equity/Liabilities=自己資本/負債=自己資本/他人資本です。

ここで、自己資本比率=自己資本/総資本=自己資本/(自己資本+他人資本)です。

他人資本が自己資本に比べて圧倒的に大きければ、自己資本+他人資本≒他人資本=負債ですので、自己資本比率≒自己資本/負債=Equity/Liabilitiesとなります。

一般に、銀行の場合、ビジネスモデルが預金(=他人資本)集めなので、他人資本が自己資本に比べて大きくなり、Equity/Liabilities≒自己資本比率となります。

なお、正確には、金融機関の自己資本比率=自己資本/リスク資産ですので、これをリスク調整された自己資本比率と呼ぶことにします。

インデックス投資ブログ界では、個別企業の財務分析は珍しい(初めて?)ですが、自己資本と他人資本の概念さえ分かれば、あとは算数ですので、過度に難しく考える必要はないと思います。

(続く)

Citibankについて その2 各国の預金保険制度

Citibankについて検討しています。大きな金融機関が破綻し、金融不安が生じると、「○○銀行は大丈夫でしょうか?」というご質問をいただくことが多いですが、この質問はもっとも回答が難しい質問の一つです。正確なところは、専門家による財務分析を経なければ分からないわけですが、資産の評価そのものが困難で、結論を明確に出すことは困難です。

ところで、インデックス投資家は、普段、財務分析をしませんので、財務関連の知識に乏しいですし、リーマン・ブラザーズ破綻以降、海外投資に詳しくない方も閲覧されていると思いますので、基礎的な概念を確認しておく必要があるかもしれません。合わせて、預金保険についても概説しておきたいと思います。

(アメリカのCitibankではなく)Citibank Japanに円預金をされている方ですが、日本の預金保険の対象となり1,000万円までは保護されます。Citibank Japanのホームページにその旨の記載があります。少し前までは、Citibankの日本支店は外国銀行の日本支店に過ぎなかったので預金保険の対象外でした。この知識のままで、Citibank Japanの円預金について心配されているのであれば、無用な心配です(但し、1,000万円までです。)。現在では、Citibank Japanが日本法人として設立されておりますので、預金保険の対象となっています。

日本の財政破綻を懸念して海外のCitibankに口座を開設された方もいますが、香港とシンガポールにも現地の預金保険制度があります。但し、これらの国々は、預金先の銀行の選択も自己責任だというのが基本方針なので、預金保険でカバーされる額は大したものではありません。実際、香港の場合には、預金保険制度を導入するかどうかを検討する際に、レッセフェールを貫くべきだという主張が根強く、政治的な妥協によって預金保険による保護の額は小さくなってしまったという経緯があります。香港、シンガポールともに百数十万円(邦貨換算、2008年9月現在)程度です。

香港及びシンガポール以外のオフショアに海外口座を開設された方は、International Association of Deposit Insurersのホームページから預金保険制度がある国(地域)を調べることができます。

今回の記事は、預金保険制度の説明だけで終わってしまいましたので、次回以降、自己資本比率、財務レバレッジ、デットエクイティレシオ、ROE、純資産などの基礎的な概念について検討したいと思います。

(続く)

Citibankについて その1−Will Citibank survive?という記事を読んで

アメリカで、様々な証券会社や中小の銀行がバタバタと倒産していますが、現在のところ日本人の個人顧客にとっては直接的な被害は出ていません。しかし、より大きな金融機関が倒産すると日本人にとっても直接的な被害が出る可能性があります。リーマンブラザーズが救済されず、AIGが救済されたことに対して批判もありますが、一般論として言えば、仲介業務を行っているに過ぎない証券会社と他社のリスクを引き受けている保険会社とでは業務の性質が違うので、必ずしもダブルスタンダードだということにはならないでしょう。

今回はAIGが救済されたわけですが、では、大手銀行はどうなのか?という疑問が浮かびます。銀行や保険会社の倒産リスクに関しては、新聞記事にもしづらいですし、ブログでも憶測記事を書くわけにはいきません。そして、問題が大きすぎるが故に、質問さえ発しづらい雰囲気があります。

さて、アメリカの大手銀行の中でも、Citibankは、日本に支店もありますし、海外投資をしている人にはお馴染みの銀行です。香港のCitibankも、海外直接投資派にはポピュラーです。従って、万一、Citibank(CitibankはCitigroupの金融部門なので、Citigroupというのが正確なようです。)が倒産すれば、被害を受けるのはアメリカ人のみに留まりません。

Will Citibank Survive?という記事がありましたので、本記事を引用しながらこの問題について検討したいと思います。

(続く)

Wells Fargo銀行の口座が閉鎖されてしまいました その2

マネーオーダーについてご質問をいただきましたが、マネーオーダーは、国際郵便為替のことです。日本では、小切手や手形を使う習慣があまりないですし、電子送金が発達するにつれて、ますます影が薄くなっています。

為替というと、現在では、時代劇などでお目にかかるぐらいの古臭い送金方法になってしまいましたが、海外送金の場合には、マネーオーダーという国際郵便為替を使用することが今でもあります。

マネーオーダーは、郵便局に行けば、発行してもらえます。小さい郵便局だと発行してもらえないことがあるので、事前に電話で確認することが必要です。「海外に送金したいのですが、国際郵便為替を取り扱っていますか?」と聞けば、話は通じるはずです。

郵便局に行って、国際郵便為替で海外送金をしたいと言うと、用紙をくれますので、必要事項を記入します。送金額に相当するお金の他に、身元を確認する書類(免許証など)が必要です。

国際郵便為替の見本はこちら

今は、海外送金の目的をしつこく聞かれることが多いようです。私の場合にも、「海外銀行口座の閉鎖に伴うマイナス残高の清算」のような書き方をしたところ、「何に支払ってマイナスになったのか?」という質問の電話が後日かかってきました。公共料金が自動引き落としされてマイナスになってしまったと説明したら、納得してもらえましたが、たった410ドルの送金なのに、かなり神経質な取り扱いでした。

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