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相関係数について その2

相関係数について検討しています。投資の基本的な考え方は、相関係数を参考にして、リスクを抑えながら、リターンを上昇させるというものです。国内株式と外国債券は最も相関が低いので、これを組み合わせることにより資産全体の変動が抑えられます。これは、海外投資の1つのメリットです。ただ、この相関係数概念の理解に誤りがあると、リスクを抑制しているつもりで、リスクが抑制されないことになるので注意が必要だと思います。この点、昨日の記事で紹介しましたように、週刊東洋経済の増刊号「投資信託ベストガイド2008年版」p.30に記載されている相関係数についての誤りを、リンク先の乙さんが指摘されています。意外と分かりにくい概念なのかもしれません。

「たとえばAという資産がプラスの方向に1動いたときに、Bという資産が動く方向と程度を簡単な数字で示すのです。Aが1に対して、Bの相関係数が 0.5 であれば、AとBの動きは同じですが、Aの上昇度に対しBの上昇度は半分になっているということです。」

ケース1)
 (A,B):(1,1)、(2,1.5)、(3,2)、(4,2.5)、(5,3)
ケース2)
 (A,B):(1,1)、(2,2)、(3,3)、(4,4)、(5,5)
ケース3)
 (A,B):(1,2)、(2,4)、(3,6)、(4,8)、(5,10)

週刊東洋経済の記事では、ケース1)が相関係数0.5の場合であると考えていると思います。そうすると、ケース2)、ケース3)は、それぞれ、相関係数が1と2になりますが、昨日の記事に書きましたように、相関係数は最大1なので、この考え方が誤りであることは明らかです。

正しくは、ケース1)からケース3)は、全て相関係数が1の事例です。変数Aが変化したときに、変数Bが同じ方向に、常に一定の動きを示せば相関係数は1です。この場合、Bの変化の幅は相関係数の値とは無関係です。

自転車のペダルをこぐと、それに連動して後輪が回転します。ギア比によって、後輪が何回転するかは変わりますが、ギア比が一定であれば、ペダル1回こげば、必ず一定回転数だけ前に進み、ペダルをこぐたびに、進まなかったり、あるいは逆進したりするということはありません。つまり、ペダルをこぐことと、後輪の回転数は、チェーンを通じて完全に連動しているわけであり、この状態を相関係数1にたとえることができるかもしれません。相関係数0.5というのは、全体としては前に進む傾向があるけれど、各々のペダルこぎ運動に際して、前に進むのか、後ろに進むのか定かではないというような状態です。

従って、週刊東洋経済が念頭に置いているのは、相関係数1の場合であって、相関係数0.5の場合ではありません。Aが1増えれば、Bが確実に0.5増えるというのであれば、二つの変数は完全に連動しているからです。

相関係数概念を誤解しながら、アセットアロケーションを組んでも、適切な投資にはなりませんので、注意が必要だと思います。

(続く)
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