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相続税の二重課税は勘弁してほしい その1

海外直接投資と相続について検討しています。「法律が異なる」ということの具体的な例として、相続は絶好の話題だと思われます。デフレから海外相続まで話題が色々と飛びますが、それだけ海外投資というのは奥が深いのだということで、ご了承いただきたいと思います。

また、折に触れて、海外直接投資のリスクを取り上げていますが、もちろん、海外直接投資を止めるべきだと主張しているわけではありません。そういう主張をするのであれば、このようなブログそのものを続ける意味がありません。そうではなくて、リターンに比べて、海外直接投資のリスクは分かりにくいので、まず、リスクについて正確に勉強していこうというのが当ブログの趣旨です。

さて、「相続税の納税義務者は、日本では相続人ですが、アメリカでは被相続人です。」という記載に関して、「アメリカにある遺産を日本居住者が相続する場合、日米両国で相続税を払う、ということになりかねないのですよね。」というコメントをいただきました。

ご指摘のとおり、理屈の上では、「なりかねない」ですね。

前提問題として、アメリカにある遺産を日本居住者が相続した場合に、アメリカに相続税を払う義務があるかどうかですが、アメリカに所在する財産については、日本居住者であっても、アメリカへの相続税納税義務はあります。もちろん、控除がありますので、全ての事例で納税義務があるわけではないですが、可能性はあるということを押えておくべきでしょう。この点に関しては、日本の相続税法も含めて、別の記事で検討する予定です。

さらに、アメリカにある遺産を日本居住者が相続した場合に、日本に相続税を払う義務があるかどうかですが、これはもちろん、日本に相続税を払う義務があります。

従って、「アメリカにある遺産を日本居住者が相続した」というケースでは、相続税の二重課税という問題が起こり得ます。株式の配当の二重課税程度であれば問題は小さいですが、さすがに、相続税の二重課税というと看過できません。

二重課税問題に対処するために、租税条約がありますが、日米租税条約によって、相続税の二重課税は回避できません。個人レベルの税金でいうと、日米租税条約が適用されるのは所得税であって、相続税は対象外です。

しかし、租税条約が締結されていなくても、日本の国内法を根拠として外国税額を控除することはできます。相互リンク先の投資家にも、外国税額控除の手続きをされている方が何人かおられます。このような外国税額控除の手続きは可能なのでしょうか?

さらに、「海外税額控除も、支払っている人が異なるから使えないだろうし。」というコメントもいただきました。この点については、私も気づきませんでしたが、こういう理屈も成り立ちそうです。

このように考えていくと、「法律が異なる」ことを軽く考えることは禁物だということが分かると思います。

さらに検討したいと思います。

(続く)
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