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年金の将来 その3

年金を廃止すべきだという意見が個人投資家の間でも少ないのは、年金を純粋に金融商品としてその良し悪しを判断するという視点がないからかもしれません。

年金を金融商品としてみると、どうなるでしょうか?仮に任意加入であるとして、老後が不安だからという理由でこの金融商品を購入することは正しいのでしょうか?

年金という金融商品が老後に安心をもたらしてくれるためには、①加入者本人の生活が長期にわたって安定していること、②年金という金融商品が長期にわたって存続し得ることが必要です。

①についてですが、年金という金融商品は、最低でも25年間、掛け金を払い続けないと老後に年金を受け取れません。ということは、少なくとも現在の年金は、日本経済が安定で、国民が極めて長期間、掛け金を払い続けることができることを前提としているわけです。従って、老後の不安が現役時代の収入の減少と不安定さに起因するものであれば、現行の年金はこの不安を消し去ることはできないはずです。この場合、現行の年金制度は維持するのではなく、廃止するか、改変するという結論になります。老後の不安が、自己の運用能力の欠如又は積み立て意思の弱さに起因するものであれば、年金という金融商品は、老後の不安を消してくれますが、この場合、個人年金でも問題はないことになります。もちろん、個人年金だと加入しない人が出るので、将来的に貧困な高齢者が大量に生まれて社会的な不安が増大しないかという懸念がありますが、国民の自己責任のレベルがそこまで低ければ、いずれにしろ日本国の将来は暗いと言わざるを得ませんし、公的年金に強制加入させても公的年金の将来そのものが暗いのであれば、問題の根本的な解決にはなりません。

以上より、現に年金を受け取っている世代が年金廃止に反対するのはともかく、20-50代の現役世代が、自己の老後の不安を理由として年金廃止に反対するのは、理論的には誤りであると考えます。この点は非常に重要ですので、年金廃止に反対される方は、現在の年金受給者の生活を心配しているのか、自分の老後の心配をしているのか、もう一度考えて見て下さい。繰り返しになりますが、長期間労働市場にとどまり続け安定な収入を得ることが年金という金融商品の前提となっていますので、後者であれば(=社会の不安定化によって自分の老後の安定が破壊されることを心配しているのであれば)、現行の年金は不安を解消してくれません。労働市場にとどまり続け安定な収入を得ることを可能にしてくれるのは、結局のところ、自分の職業能力と健康以外にありません。

②について、すなわち、年金という金融商品そのものの安定性については、次回以降の記事で検討したいと思います。


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