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民法772条について その4

少し間が開きましたが、「貞操義務なり性道徳という問題は、みんな考えなければならない。都合の悪い人が、みんな救われなければならないということになれば、(民法の)根幹が揺るぐことになる。」という、長勢法務大臣の意見について検討します。

この考え方が曖昧なのは、「誰のどの行為がいかがなもの」なのかはっきりしていない点です。日本の政治家、特に保守派の政治家はこのような物の言い方をする人が多いですし、日本人のメンタリティーも、はっきりした物の言い方を嫌うので、これを看過しがちです。

また、上記意見に対する反論としては、貞操義務など古すぎるという意見が多かったですが、これも論理的な反論とはいえません。婚姻という制度が現在も存続している以上、法律に明記はされていませんが、貞操義務(不貞行為をしない義務)そのものは肯定すべきであって、違反に対してはペナルティー(慰謝料を支払う義務)が科せられても仕方がないからです。

問題は、「不貞行為の当事者である母親から嫡出を否認するのは、性道徳の観点からいかがなものか。」という意見が、あくまでも「不貞行為」はよくないと主張している意見なのか、それとも「不貞行為の当事者である母親が嫡出を否認する行為」を認めるのはけしからんという意見なのか、分かりにくいということです(文脈から推測すると後者だと思われますが。)。

ところで、妻ではなく夫が浮気をした場合、不貞行為の当事者である父親が生まれた子供を認知することは、現行法上可能です(民法779条)。さらに、民法782条は、遺言による認知を認めており、この条文は、民法典のなかで最も粋な条文と言われています。つまり、(当人は既に墓の中なので)妻から直接文句を言われることなく、非嫡出子である自分の子供にも遺産を残すことができるからです。

従って、現行法は、「不貞行為の当事者である母親が嫡出を否認する行為」は認めていないにもかかわらず、「不貞行為の当事者である父親が認知する行為」は認めているわけです。この現行法に、「けしからん」という道徳や感情を超えた法的な意味での合理性があるのかどうか、検討が必要になります。


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