前回、1億円以上の海外預金については、財務大臣への報告義務があるという記事を書きました。
財務大臣への報告義務なので、財務省に報告書を提出することになりそうですが、報告書の提出先は日本銀行です。外為法の規定に基づいて、財務大臣は、事務の一部を日本銀行に取り扱わせているからです。
外為法69条
主務大臣は、政令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務の一部を日本銀行をして取り扱わせることができる。
部外者には分かりにくくなっているのですが、この規定があるために、海外預金の報告書についての説明は、財務省ではなく、日本銀行のホームページに詳しい記載があります。
「香港の銀行とシンガポールの銀行に分けて、1億円を預金している場合の報告義務はあるか?」という質問については、同様の趣旨の質問に対する回答が日本銀行のホームページに記載されています。
海外預金の残高等に関する報告書のFAQ:
http://www.boj.or.jp/type/exp/tame/faq/t_kai.htm(日本銀行のホームページより)
このFAQのQ4とその回答は、以下のとおりです。
Q4.外国の金融機関に定期預金を2口(5,000万円と8,000万円)と通知預金を1口(2億円)預けています。報告はどのようにすればよいですか。
海外預金残高の報告基準金額は、1口座または1先あたり(銀行以外)1億円相当額超となっています。よって、通知預金は報告が必要ですが、定期預金は2口座とも1億円相当額以下であるため報告は不要です。 (日本銀行のホームページより抜粋)
この回答によれば、外国の金融機関(同じ金融機関と思われます。)に定期預金を2口(5,000万円と8,000万円)預けている場合には、「1口座または1先あたり(銀行以外)1億円相当額超」という基準により、報告不要です。
銀行が異なれば、当然口座が異なることになりますので、「香港の銀行とシンガポールの銀行に分けて、1億円を預金している場合」には、報告義務はないという結論になります。
さらに、同じ金融機関に2口に分けて預けた預金は、1口座当たりの預金額が1億円相当額超でなければ報告義務はないわけですから、米ドル定期、ユーロ定期、豪ドル定期などに分けてしまえば、分散投資をしながら、報告義務を回避することも可能となります。
現行の規定では、1億円以下であれば報告義務はないことになっていますが、昨日の記事で記載しましたように、この額は省令で決められているだけなので、将来的には、1億円より少ない額になる可能性はあります。合法的に投資するに越したことはないですので、1億円も預金していないから無関係であると考えずに、予め正確な知識を習得しておいたほうがよいと思います。
なお、居住者が非居住者から証券を購入する行為も、外為法上の「資本取引」に該当し(外為法20条5号)、報告義務があります。
リンクさせていただきました
他のブログに書いていないような内容の記事を紹介していきたいと思っています。
国外の金融機関を利用した海外投資は、色々なリスクがあるので、まずは、国内で十分に海外投資をしてから挑戦したほうがよいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
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