破綻本と並んで、海外投資のきっかけになった書籍はゴミ投資家シリーズ(現小富豪シリーズ)です。私個人は破綻本をきっかけとして海外投資を始めたので、このシリーズはあまり読んでいません。破綻本に対しては批判的な声が大きいのに対して、ゴミ投資家シリーズに対しては大きな批判は聞かれないようです。
ゴミ投資家シリーズの第一の問題点は、そもそも、ゴミ投資家としてオフショア投資を始めるべき層の定義が不明確なところだと思います。本シリーズは断片的にしか読んでいないので、もしかしたら、書いてあるのかもしれませんが、絶対にオフショア投資を始めてはいけない層は明確に記載されていないように思われます。
元々、ゴミ投資家という言葉は、バブル経済の頃に、1億円未満の資産を運用している個人投資家に対して使用されたものですが、いつの間にか、数百万円程度あるいはそれ以下のお金でオフショア投資を始めようという話になっています。
本ブログでは、木村剛著の「投資戦略の発想法」に基づく投資戦略を念頭に置いていますので、生活防衛資金を2年分貯めていることを前提にしています。従って、生活レベルによって異なりますが、最低でも500万円、一般的には1,000万円の資金があることを前提とすべきです。しかも、これは投資に回すべき資金ではなく、文字通り生活防衛のための資金です。加えて、「投資戦略の発想法」では、20銘柄分散法を推奨していますので、1銘柄50万円として、さらに1,000万円の資金が必要となります。個別銘柄ではなくファンドを購入すれば、1,000万円の資金は必要ないので、この額は減らせますが、生活防衛資金と投資用資金を合わせて1,000万円は最低限用意すべきです。
そうすると、生活防衛資金を貯めてから投資を始めることを前提とすれば、1,000万円の資産があることが投資家であるための条件といえます。
オフショア投資をする場合、ある程度の資産は国内に残したいでしょうから、オフショア投資をするための資産面での条件は、さらにアップして1,500万円-2,000万円ということになります。
もちろん、生活防衛資金は2年分も必要ないなどの意見もあり得ますが、やはり保守的な考え方から逸脱すればするほど、投資ではなく投機になってしまうことに留意する必要があると思います。
海外投資に慣れるまでは海外投資に回す資産を少額に留めるというのであれば問題ないですが、元々少額しかないのに海外投資を始めるというのはかなり問題があるといえます。
(続く)
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こんにちは
某掲示板では毎度おなじみの議論で
大人気なく書き込みをしてしまいました。
不動産投資vs.株式投資 でもそうですが、
海外投資の件も毎度おなじみの水掛け論ですね。
最近、HSBCを始めとする香港金融機関に口座を開設することが流行やファッションのようになっているようで
それゆえ開設後の資産運用の話があまりにも少なく、
開設者の口座の多くが休眠口座なっているであろうことは容易に想像できます。
最初は口座開設だけでもよいのではないかという意見もありますが、後から本気になる可能性は少ないと思います。
「インターネット投資術入門」あたりではキムタケ本と同じく「基本はまずせっせと働く。そして世界株式ファンドの積み立てをする」が結論になっておりました。
元々、ゴミ投資家がオフショア投資に乗り出すというコンセプトそのものにかなりの無理があったように思います。
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