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ワーキングプア問題について その1

ワーキングプア問題について、下記のメールをいただきました。


「はじめまして。いつも興味深くブログを拝見させていただいております。

 最近、ワーキングプアという言葉を知りました。調べてみると、日本社会の構造がリアルに浮き彫りになり、行く末を想像したときに非常に怖い思いがしました。

 私は九州で医師をしておりますが、最近医療費が払えずにガイドラインにそった治療が満足にできないような人が増えていると思います。社会保障の問題は重要かつ深刻なものですね。ぜひ、PALCOMさんのお考えをブログにとりあげていただきたいと思い、メールしました。ご検討くだされば、幸いです。」

ワーキングプアですが、日本に限った問題ではなく、先進諸国に共通した問題となっているようです。

ワーキングプアの定義としては、正社員並みにフルタイムで働いているのに生活保護に満たない収入しか得られない労働者というのが一般的であるようです。

ワーキングプア問題には、自己責任の問題なのか、それとも社会構造の問題なのかというレベルでの争いがあり、この争いの根本にはイデオロギー対立があるために、争いが根深いものになっています。

ワーキングプア問題に関しては、イデオロギー対立に拘泥した争いにならにように留意しながら、「単純に自己責任の問題と考えるのは妥当でないのではないか?」と考えていく必要があると思います。自己責任の問題であるのなら、最終的には努力の足りない者として切り捨ててしまえば済むわけですが、社会構造の問題が絡んでおり、しかもその問題が今後深刻化する可能性がある問題であるのなら、今この段階で解決策を考えておく必要があります。

ワーキングプア問題については、自己責任問題と考える立場が無視できないほど多いようです。下記の意見が典型的なものと思います。

(以下引用)
----------------------------------------------------------
なお、誤解の無い様に、私も毎月の可処分所得が10万円に満たないサラリーマンであることを予め宣言しておく。

(中略)

確かに、「資本はいくらでも後から押し寄せてくる若い「失業予備軍」を吸収しさえすればいいのだから、フリーター(非正規雇用)は使い捨てである。」や、「非正規雇用の大規模な活用によって所得を移転している、早い話収奪していることによって成立しているということなのだ。」は、広義においては正しいし、激しく同意するものであるが、この番組の本質はどこかと問われれば、「しかし、現実には、おそらくその人の責任だと見てしまうような「手落ち」がいくらかでも含まれているケースが大半だろう。」
 
(中略)

「そして生活を支えるはずの社会保障が逆に生活の貧困化を促進してしまっているという事態が、からみあって地方を襲っているという様子が「見事」なまでに描き出されている。」
これに関してはまったく具体性が無いし、単なる感情論でしかない。単にお涙頂戴の目くらましで本質を見失っているとしか思えない。社会保障のどの制度が原因で人々の努力が無駄になっているのか? そもそも、自力でどうにも出来ないから社会保障を必要としているのであって、努力している人は社会の保障など必要は無いのだ。」

-----------------------------------------------------------
(引用終わり)

http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor2.html

論旨としては、

①ワーキングプア問題は、個人の努力の欠如を原因とすることが多い。

②何故なら、そもそも努力している人は社会の保障などは必要としないから、ワーキングプアからの脱出に社会の手助けを必要としている時点で、その者は努力していない人と考えてよい。

③自分は社会の保障などは必要としていないから、努力している人である。

③については、直接そのように言っているわけではないですが、③を前提としていることは間違いないと思われます。

以下、この意見についてcriticalに検討してみたいと思います。

(続く)
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コメント

はじめまして。いつも拝見しております。
この問題は私も興味津々です。PALCOMさんの明晰な分析に
期待します。
個人的には、一人一人の資質を問う前にまずマクロを
なんとかしてからではないか? と思っています。

「個人的には、一人一人の資質を問う前にまずマクロを
なんとかしてからではないか? と思っています。 」

まさしく、この問題の検討が極めて重要だと思いますが、このレベルで既に国民の意見が割れてしまっており、収集がつかなくなっています。もし、一人一人の資質の問題に過ぎないのであれば、社会問題ではなくなり、従って、理論的には、特別な施策は不要という結論になるはずです。

自己責任・自助努力を前面に押し出す人ほど、実は自助努力をしていないのではないかという点についても検討が必要だと思います。

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