イスラエルがシリアを空爆した主な理由が、シリアを攻撃することそのものにあるのではなく、イランと緊密な関係にあるシリアを攻撃することで、イランに警告を与えるとともに、欧米に対して、イランを攻撃しなければイスラエル自らイランを攻撃することを示唆したものであるとすれば、将来的に、アメリカはイラクだけではなく、イランとも戦わなければならない可能性が出てきます。
アメリカはイラク戦争を抱えているので、とてもイラン戦争にまで手が回る状況ではありませんが、イスラエルがイランに参戦すれば、イラクと隣り合っていることもあり、また、イランがシーア派のみならず、スンニ派にも武器供与しているため、アメリカは自動的にイラン戦争にも巻き込まれてしまう可能性が高いです。
こうなると、欧米と中東との全面戦争の様相を呈してきます。集団的自衛権を肯定すれば日本もそれに巻き込まれることになります。また、仮に日本が巻き込まれないとしても、中東全域に戦闘が広がれば、石油の価格が高騰することになります。折りしも、アメリカでは、サブプライム問題の鎮火のために利下げが続くと予想されていますので、いずれにしろインフレは避けられないことになります。
もっとも、イスラエルも、単独でイランを攻撃することは難しく、アメリカがイラン戦争にどの程度戦力を割けるか分からないため、そもそも、イスラエルがイランに対して戦争を仕掛けるか分かりません。ただ、イランが核を保有することをイスラエルが認めることは絶対にできないので、イスラエルがイランを攻撃する可能性が絶対にないともいえません。
イスラエルがイランを攻撃するとすれば、ブッシュ政権が終わる前になるのではないかと予想されています。新しい大統領が、ブッシュとチェイニーというコンビ以上に、イラン戦争を支持する可能性は低いですし、誰が新しい大統領になるにせよ、ブッシュの方が操り易いことは確かだからです。
いずれにしろ、最悪の事態を念頭に置いて、推移を見守るべきです。
なお、日本において、集団的自衛権の議論が盛んですが、賛否以前の問題として、集団的自衛権と集団保障体制の差すら十分に認知されているとは言いがたいので、この点についても、いずれ別の記事で検討したいと思います。
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