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財政破綻と海外口座 その3

前回の記事(財政破綻と海外口座 その2)の復習


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財産の所在地と当該財産の所有者の居住国を基準とすると、次の4つのパターンに分けることができます。

①居住国が日本、財産の所在地が日本
②居住国が日本、財産の所在地が外国
③居住国が外国、財産の所在地が日本
④居住国が外国、財産の所在地が外国

考え方A:財産の所在地を基準として資産課税を行う
考え方B:財産の所有者の居住国を基準として資産課税を行う

考え方Aが採用された場合:
 ①と③は資産課税の対象となる
 ②と④は資産課税の対象とならない

考え方Bが採用された場合:
 ①と②は資産課税の対象となる
 ③と④は資産課税の対象とならない

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考え方Bが採用された場合には、日本に居住している限り、資産課税からは免れることができないことになりますから、考え方Aと考え方Bの
うち何れが採用されるかは重大な問題です。

この問題を考える場合には、同じく資産に対する課税である相続税についての規定を検討するのが有用だと思います。

現行の相続税法は、考え方B(=居住国を基準とする考え方)を基本としつつ、さらに考え方A(=財産の所在地を基準とする考え方)を加味した規定となっています。

おおまかにいってしまうと、以下のようになります。
 ①相続時に日本に住所を有する者(日本国居住者):その者が相続により取得した財産の全部に対し、相続税を課する(相続税法2条1項)
 ②相続時に日本に住所を有しない者(日本国非居住者):その者が相続により取得した財産でこの法律の施行地にあるものに対し、相続税を課する(相続税法2条2項)
→実際には、相続税の回避を防ぐため、被相続人の居住国や相続前の居住国も考慮するなど、さらに複雑な規定となっています。

つまり、納税義務者である相続人が日本に居住している場合、国内に存在する相続財産も、国外に存在する相続財産も相続税として日本国に納付しなければなりません。

これに対して、納税義務者である相続人が日本に居住していない場合、国内に存在する相続財産のみが相続税の対象となり、国外に存在する相続財産は相続税の対象となりません。
→実際には、相続税の回避を防ぐため、被相続人の居住国や相続前の居住国も考慮するなど、さらに複雑な規定となっています。

以上を前提とすれば、財政破綻を原因として資産課税という政策が採用された場合も、日本に居住している限り、国外財産も課税対象となると考えるべきであり、逆に、日本に居住していなければ、国外財産は課税対象から外れると予想されます。

従って、預金封鎖対策には海外預金という定説は、預金者本人が海外移住する場合にのみ正しいといえます。

財産の所在地国を判定するための基準も、相続税法10条に規定されています。

誤解しやすいケースは、以下のとおりです。
 日本の証券会社を通じて購入した外国株:国外財産
 外国の証券会社を通じて購入した日本株:国内財産
 日本の証券会社を通じて購入した外国証券投資信託:国外財産
 日本の銀行に預け入れてある外貨預金:国内財産
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コメント

相続税は強化される

オーストラリアに移住したAさん-日本の証券会社で豪ドル建てMMFを購入して運用、その後死亡。日本で相続税を支払わなくてもよい。∵豪ドル建てMMFは国外財産

オーストラリアに移住したBさん-日本の銀行に預け入れてある豪ドル建て預金で運用、その後死亡。日本で相続税を支払わなければならない。 ∵豪ドル建て預金は国内財産

今のところ相続税は富裕層のみの問題ですが、今後相続税は間違いなく強化される方向に動くので、このような法律知識はますます重要になってくると思います。

日本の銀行の定義

PALCOMさん。どうも!

citibank.JPでの円建て預金、外貨建て預金はどういう扱いになるのでしょう。
citibank.JPのHPによると
「シティバンクの預金は、預金保険の対象外です。」
ですからセイフティーネットは対象外、しかし国内財産としては対象になるということだと、
悪いとこ取りですよね。

ご教授ください。

スマイリーさん、こんにちは。

日本のCitibankに預け入れてある預金は、円預金・外貨預金ともに日本国内にある資産なので、相続税その他の資産課税の対象になりますね。

預金保険との関係では、円預金は預金保険の対象ですが、外貨預金は預金保険の対象外ですね。

まさに、悪いとこ取りです。

ありがとうございました。

こんにちは。
現在の税制の延長線上で考えると、国内居住者の海外資産は資産課税の対象となる可能性が高いと思います。いざというときに国外脱出できるだけの資産がない限り、海外口座は財政破綻対策としては無意味だと思います。

PALCOMさんの記事は簡明で非常に分かりやすいです。とても参考になりました。ありがとうございました。

空色さん、こんにちは。

いざというときに国外脱出できるだけの資産がない限り、海外口座は財政破綻対策としては無意味
→その通りだと思います。厳密にいえば、システミックリスクを回避するために有用なのかもしれませんが、日本の金融システムが崩壊する事態が生じたら、外国にある資金を戻すことはできないでしょう。預金封鎖対策に海外口座を開設するのは、各種リスクが増えるだけで全く無意味です。

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