破綻本や海外投資を楽しむ会の影響で、HSBC香港など、香港に銀行口座や証券口座を開設することがブームになったことがあります。当時は、財政破綻懸念が現在よりも深刻で、また、日本の銀行を通じて気軽に海外投資を行うことが難しかったために、口座開設の意味がありましたが、それでも、今から振り返れば、海外に口座を持つこと自体が一種のファッションやステータスであるという理由が一番大きかったように思われます。
2007年現在、日本の財政破綻懸念やシステミックリスクの顕在化は低下していますし、日本の金融機関を通じた海外投資が充実してきているので、日本に留まり続けるつもりであれば、海外口座を開設すべきではないという結論に至りました。もちろん、口座開設者個人が、リスクを負っても口座開設したいというのであれば、個人の自由ですが、ファンドを購入したらエラーメッセージが出て意味が分からないなどというレベルで海外口座を開設しても、物珍しい体験をした程度の意味しかないのではないでしょうか?
海外口座の開設が解禁されてから時間が経過し、パスワードを忘れたというトラブルも耳に入ってきます。海外口座は頻繁に使用するものではないですし、パスワードをメモに残すことは危険なので、パスワードを忘れてしまうことは仕方がないですが、この状態で口座保有者が死亡してしまえば、相続手続きが非常に面倒になります(もちろん、遺族がパスワードを知っていたとしても、パスワードを使用して遺族が預金を引き出すことは、厳密に言えば、違法です。)。仮に相続トラブルという深刻な事態にまで至らなくても、海外に居住している口座保有者のidentityを確認することは難しいので、パスワードの再発行も面倒です。確認の電話がかかってきたときにも、ある程度、英語ができないと応答できませんので、これもトラブルの基になります。
ちょっとした物珍しい体験に、これらのトラブルを負うだけの価値があるかどうか自答した後に、口座を開設されるべきだと思います。
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