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ファイナンシャルリテラシーがゼロの日本人

 顧客満足度第1位の銀行は、3年連続で新生銀行だそうですが(日経調査、新生銀行ホームページより)、新生銀行は仕組み預金を積極的に販売しており、とてもお勧めできるような銀行ではないと思います。

 欠陥商品を紹介することが本ブログの趣旨ではありませんが、香港でも、仕組み預金(structured deposit)や株価指数連動型の預金(equity-linked deposit)など、個人投資家が損をする確率が高い下らない商品が売られているので、欠陥商品を見分ける力をつけておくことは非常に重要だと思います。もし、新生銀行に口座を開設して、以下のような商品を喜んで購入しているのであれば、海外口座を開設する資格はないと思ったほうがよいです。欠陥商品に対する苦情も英語で言わなければなりませんので・・・。


①二重通貨定期預金パワード定期プラス
 これは、前々回の記事でご紹介した豪ドル償還特約付き円建て債券と同種の商品で、新生銀行だけでなく多くの銀行で売られています。詳細は前々回の記事をご覧いただけば分かると思いますが、利子を若干上乗せ(実際には、オプション契約におけるオプション料)をしてもらって、為替差損のリスクを引き受けるという損な契約です。

②元本保証の円仕組預金パワード・ワン・プラス
 預け入れから5年間は年利1.4%、5年以降目以降満期(10年)までは年利1.5%となりますが、5年目以降、満期を延長するかどうかの選択権限は新生銀行側にあるという商品です。同行の預金残高の1/3を占める大ヒット商品になりました。しかし、この商品も一種のオプション契約であり、選択権限が銀行側にありますから、オプションの売り手になる契約です。オプションの売り手は、理論上、無限大の損失を被るため、オプションを売って無限大の損失を被らないことを戒めて、俗に「ふぐの肝は絶対食べるな」と言われています。
 本商品は、預け入れから5年間は年1.4%の金利を享受できますが、その引き換えに、5年目以降、市場金利がどれだけ高騰したとしても1.5%の金利で我慢しなければなりません。つまり、この商品は、金利の上乗せと引き換えに、無限大の金利リスクを預金者が負うという商品に他なりません。
 年1.4%の金利に引かれた方は、まずは、5年物の個人向け国債の購入を考えた方がはるかに得です。直近の金利が1.13%ですので、金利面で大きな遜色はありません。5年物国債の満期が到来したときに金利が上がっていたら(現在低金利なので上がっている確率が高い)、次の5年は高金利を享受できます。
 さらに言えば、そもそも、この低金利時代に5年とか、10年の固定金利ものの金融商品に投資する意味があるかどうかを検討すべきです。
 預金は低利で長期固定、ローンは変動金利では、お金が貯まるはずはありません。

③ニュー・パワード・ワン
 満期が短くなっていますが、②と同種の商品です。

④パワード・ワンプラスセット
 仕組み預金と短期の高金利円預金を抱き合わせて、仕組み預金を売りつけるための商品です。抱き合わせ商品は、損な商品と一見お得な商品で構成されていますが、全体的に見ると損するようになっています。購入すべきではありません。

⑤パワーステップアップ預金
 当初3年間は1.3%の高金利を享受でき、4年目以降は、金利が0.2-0.3%ずつ上がっていくという商品です。図を見ると金利が徐々に上昇していき、10年目には3%という高金利を享受できる有利な商品のように見えます。しかし、4年目以降、満期を延長する権限を保有しているのは新生銀行なので、市場金利が預金金利より高ければ満期を延長し、市場金利が預金金利より低ければ延長しなければよいだけです。従って、金利が徐々に上昇していくといっても、満期が延長されるのは、預金金利が市場金利より低いケースだけなので、預金者にとって何らお得な商品ではありません。新生銀行で販売している商品ではありませんが、同様に、債券にも、金利がステップアップする代わりに、満期前償還条項(collable)が付いている商品があります。

⑥日本力円預金
 満期日繰上特約付円定期預金(最長10年)利率株価指数参照型前回利率連動タイプという長い名前です。文字通り、預金金利が株価指数に連動し、株価が上がれば金利が上がり、株価が下がれば金利も下がる。預金なので元本保証です。満期日繰上特約付きというのは、参照株価指数が当初より15%上昇したら預金の満期が繰り上がるという趣旨です。元本を確保しながら、株価上昇の利益を享受できるというのが売りでしょうか。この商品の損得を考えて見ましょう。
 1年目に株価が高騰し、15%以上株価が上昇したら、満期は繰上げられます。株式に投資すれば15%以上の利益を得られるのに、預金者は預金金利(本商品では1.5%)のみを得るだけです。
 1年目に株価が低落したら、満期は繰り上げられません。満期が繰り上げられないということは、銀行側から見れば、借金を返済せずに株式投資を続け、株価の復活を待つための猶予が与えられたということです。しかも特約が付いているので、株価が下がれば預金金利(銀行側から見れば、借金の金利)は下がります。
 2年目に株価が上昇し、当初の15%以上株価が上昇したら、満期は繰上げられます。株式に投資すれば2年で15%以上の利益を得られるのに、預金者は預金金利のみを得るだけです。
 以下、延々と同じことが続き、10年の期間中どこかで株価が復活すれば、最終的に、銀行側はキャピタルゲインを享受できますし、株価が復活していない間は低利で借金できているのですから、これは借り手にとって非常に有利な契約といえます。
 よく分からなかった方は、友達から100万円借りてインデックスファンドに投資している状況を考えてみてください。とにかく、負けている間は、借金を返済する必要がなく、株価が上昇するのを10年間待てばよいのですから楽なものです。
 本商品のキャッチコピーは「ジャパンの強さに期待しよう」ですが、「ジャパンの強さに期待」するのであれば、日本株に投資するのが筋です。株価の上昇により利益を享受したいが、元本を毀損させたくないという中途半端な態度が一番よくないです。

 以上のように、新生銀行を例にとって、投資家が損をする金融商品を紹介してきましたが、他の銀行もこれに追随する動きが出ています。
→これに関する新聞記事は、こちら。
 
 国会では愛国心論争が盛んですが、抽象的な愛国心教育の議論をしている暇があるのであれば、ファイナンシャルリテラシーの教育をすべきだと思います。また、これからは金融の勉強をしていない人は、間違いなく下流化していくと予想されます。勉強することが大切です。
 


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コメント

はじめまして。いやはや新生銀行をばっさり切っていらっしゃる(笑)。あそこはATM手数料無料と月5回まで振込無料"だけ"を使い倒すのが正しい利用法だと思います。

boshiさん、はじめまして。
ここまで堂々と欠陥商品を売っている業界というのは、金融業界以外にないと思います。また、それを見抜けない消費者が多いのも問題です。

今後とも、ご愛読ください。

PALCOMさん

こんにちは。似たような記事を書きました。
トラックバックさせていただきますね。ではでは

そういえば、、最近、新生銀行で仕組み預金減りましたね。いちじきは、ものすごく、大々的に新聞に広告を打ち出していましたが・・

打ち出すだけの体力がなくなっただけ?

silencejokerさん

仕組み預金の広告減りましたね。日本の投資家のレベルが上がったのか、それとも、ご指摘のように、広告を打ち出すだけの体力がなくなったのか、定かではありません。最近では、高い金利で預金を集めているようですね。

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ATMの振込限度額引き下げで銀行窓口はどうなってしまうのだろうか

さらにPALCOMさんの海外投資塾でも同様の記事が書かれていますので参考にしてください。→参考「PALCOMの海外投資塾 > ファイナンシャルリテラシーがゼロの日本人」


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