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書評の書評 お金は銀行に預けるな その1

「お金は銀行に預けるな」(光文社新書、勝間和代著)という本が売れているそうです。私自身は、新たな投資本はなるべく読まないようにしているので、内容を詳細に知っているわけではないですが、なかなか良書のようです。投資信託に長期投資すれば悪くないリターンを得ることができるはずだという趣旨の本のようです。こういう入門者向けの本は、理論的に単純化されている面があるので、ある程度の投資経験がある方から批判的なコメントが寄せられることがあります。下記は、そのようなコメントの典型ですが、ファンドの長期保有による資産形成について懐疑的な意見を述べています。

日本から脱出するかどうかに関わらず、ファンドの長期保有による資産形成が個人投資家の基本戦略になると思います。従って、この基本戦略に対する批判が妥当であるかどうか、絶えず検討する必要があります。基本戦略に対する批判が妥当であるとすれば、戦略を修正する必要があります。

-------------引用開始-------------------------------

「目から鱗」的な感動を覚えた人は決して投資をしてはいけません。この本には、元手が何倍にもなりうる投資はリスクがあり危険だが、インデックスファンドから始めて頭を使ってリスクを回避すれば、年率5%は確実に得られるかのような書き方がされています。しかし、年率5%を10年20年も継続できる人などいません。年率5%で着実に複利で増やすことさえ、実は大変難しいことなのです。

実例を挙げましょう。2007年に日本株インデックスファンドを購入した人は、2008年に入ってほぼ全員マイナスになっているはずです。もう既に計画通りには行かなくなっています。

また、一時的な下落に動じず長期所有すべきとの意見については、まず長期所有では毎年信託報酬を取られます。インデックス型の信託報酬が安いと見るのは間違いで「投資信託会社は何もしなくても信託報酬がどんどん入ってくるから」低いだけなのです。下落後、元手に戻るまで待ったとしても、それまでの時間を失ったことになります。これも立派な「機会損失」です。

投資がリターンを産む理論的根拠は人々(他人)が生産活動をして実体経済が成長するから、と述べています。しかし今の時代「カネ余り」と言われるように投資マネーが実体経済と比して桁違いに膨大で、実体経済の成長分を投資マネーに公平に分配すると、ごくわずかなお金にしかなりません。年率数%なんてもってのほか。年率数%を得るだけでも、結局は人生を浪費するゼロ・サム・ゲームに参加することになるのです。

-------------引用終了-------------------------------

<第一パラグラフについて>
第一文が、「「目から鱗」的な感動を覚えた人は決して投資をしてはいけません。」なので、勝間氏の本に対して批判的であることが分かります。批判的なスタンスを取ること自体は、評者の自由ですが、問題は、この批判が合理的なものかどうかです。Amazonの書評欄は一方通行なので、コメントに対する再批判が為されることが少なく(まれにコメントに対する批判コメントもありますが、ブログのように討論はできません。)、問題があるように思います。

第二文から第四文までを要約すると、「著者の主張のように年率5%で着実に複利で増やすことは、大変難しい。」です。「年率5%で着実に複利で増やすことが、大変難しい」かどうかは事実の問題なので、正誤をはっきりさせることは可能です。

年率5%というのは名目の金利と思われますが、20-100年間という長期的データを見ると、年率5%というのは難しくありません。100年間という長期にわたって、6-7%の実質リターンで回っている国があることは、先日の記事でご紹介したとおりです。従って、株式と債券に分散投資することを前提にした場合でも、年率5%を長期的に続けることは十分に可能です。

他方で、評者が、「日本株や日本債券のみで運用することにより、年率5%で増やすことは大変難しい」と主張しているのであれば、その主張自体は正しいですが、海外投資ツールが充実している現在、海外株式や海外債券を中心に据えた運用をすることは容易ですし、勝間氏も、「日本株や日本債券のみで」運用しろとはいっていないようなので、「日本株や日本債券のみで」運用するという前提で物事を考えること自体妥当でないといえます。

日本人の場合、自国の株式市場が極度に低迷しているので、この事実が話をややこしくしていますが、いずれにしろ、「年率5%を10年20年も継続できる人などいません。」という主張は極端すぎます。

<第二パラグラフについて>
「実例を挙げましょう。2007年に日本株インデックスファンドを購入した人は、2008年に入ってほぼ全員マイナスになっているはずです。もう既に計画通りには行かなくなっています。」
この第二パラグラフは、削除すべきです。そもそも、長期投資の場合、平均して数%のリターンを上げることを目標としているのであって、毎年数%のリターンを上げることを目標としていません。2008年にマイナスとなっていることは、長期投資の計画と何ら矛盾するものではありません。

第三パラグラフ以下については、明日以降の記事で検討します。参考になる箇所もなくはないですが、論理的に練られた批判になっていないので、初心者を惑わす負の側面の方が大きいと感じます。

(続く)
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コメント

Amazonの書評

個人的には、Amazonの書評は星の数くらいしか参考にしない(それも一定数以上の母数があるものだけ)のですが、よく読むと明らかな間違いや決め付けがちらほら散見されます。
なかには、利害関係者の組織的書き込みもあると聞きます。

PALCOMさんの分析の続きを楽しみにしてます(^^)

水瀬さん

麻雀勝ちました?

Amazonの書評も、色々問題がありますよね。入門書に対して批判的コメントをすることは簡単だと思いますが、あまり評論家気取りでコメントしているのを見ると辟易することがあります。

ところで、水瀬さんは、本を書かれる予定はないのですか?水瀬さんのブログの読者が購入するだけで数千部は固いと思うのですが。




麻雀はトントンでした(^^ゞ

僕が本を書いても、既存のインデックス投資本とほぼ同じ内容になってしまいますよ。
何か差異化ができればいいのでしょうけど。

煽り立てるつもりはありませんが、投資している一市民の側からの本というだけでも、差異化できているようにも思います。売らずに済ませるテクニックだけでも面白いと思いますよ。長期投資すればいつか花開くというような本が多いですが、どうすれば長期投資が続くのかというところまで書いてある本は少ないのではないでしょうか。

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