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書評の書評 お金は銀行に預けるな その3

「お金は銀行に預けるな」(光文社新書、勝間和代著)という、これから投資を始める人向けの本に対して寄せられたAmazonの書評(以下に引用)について検討しています。

長期投資はやり直しが聞かないので、この種の批判に対しては納得できるまで検討をすべきでしょう。不安を抱えたままだと、少し市場が不安定になっただけで戦略変更ということになりかねません。また、実際のところ、積み立てるだけなので、他にやることがないというのも事実です。

----------------------引用開始------------------------

 「目から鱗」的な感動を覚えた人は決して投資をしてはいけません。この本には、元手が何倍にもなりうる投資はリスクがあり危険だが、インデックスファンドから始めて頭を使ってリスクを回避すれば、年率5%は確実に得られるかのような書き方がされています。しかし、年率5%を10年20年も継続できる人などいません。年率5%で着実に複利で増やすことさえ、実は大変難しいことなのです。
   (途中省略)
 投資がリターンを産む理論的根拠は人々(他人)が生産活動をして実体経済が成長するから、と述べています。しかし今の時代「カネ余り」と言われるように投資マネーが実体経済と比して桁違いに膨大で、実体経済の成長分を投資マネーに公平に分配すると、ごくわずかなお金にしかなりません。年率数%なんてもってのほか。年率数%を得るだけでも、結局は人生を浪費するゼロ・サム・ゲームに参加することになるのです。

--------------------引用終了---------------------

第二パラグラフと第三パラグラフは、長期投資に対する論理的批判となっていないという結論に達しましたので削除しました。そうすると、批評は、「年率5%を10年20年も継続できる人などいません。「カネ余り」の現在、実体経済の成長分を投資マネーに公平に分配すると、ごくわずかなお金にしかならないからです。」という単純な文章になります。評者は、もう少し自分の考え方を論理的にまとめてから投稿すべきでしょう。

この要約文に対して、検討を加えていきます。

長期投資は、素人のための省力化された投資法なので、まずは、批判に対しても、なるべく単純な理屈による反論で済ませるのが合理的です。「「カネ余り」の現在、実体経済の成長分を投資マネーに公平に分配すると、ごくわずかなお金にしかならない。」という評者の主張を敢えて争わずに、「「カネ余り」なのは、あくまでも現在なのであって、「カネ足らず」になることもあるはず。よい時もあれば、悪いときもあるのが長期投資である。」というのが、長期投資家らしい反論でしょう。

投機マネーが大きな問題であることは事実ですが、経済自体に備わった自浄作用もありますし、一般紙レベルでも「トービン税」という言葉が社説に登場しており(京都新聞2008年1月9日付け)、政治的にも投機マネーに対する規制は厳しくなる可能性があります。とすれば、現在「カネ余り」であっても、それが永遠に続くことを意味するわけではないでしょう。長期投資家は、元々、そういうタイムスパンで投資しているわけですから。

もう少し実質的な反論をするのであれば、「「カネ余り」の現在、実体経済の成長分を投資マネーに公平に分配すると、ごくわずかなお金にしかならない。」という主張の真偽を確認することになります。これは事実の問題なので、確認が可能です。

過去およそ20年間にわたって先進国の株式市場のPER(アメリカS&P500、ドイツDAX、イギリスFTSE、フランスCAC40、日本TOPIX)を見てみると、一国を除いて、PERは基本的に10-20の間に収まっています。2004年以降の直近のデータは、10台前半です。PERがフロー面での株価の割高・割安度を表すとすれば、少なくとも先進国の株式市場に限っては、「「カネ余り」の現在、実体経済の成長分を投資マネーに公平に分配すると、ごくわずかなお金にしかならない。」とはいえないことになります。ちなみに、PERが10-20の間に収まっていなかった唯一の例外は日本で、長期にわたってPERが30-70の間を変動しています。結局、事後的に見れば、異常な状態は正当化されなかったわけで、その分、後から苦しまなければならないのは当然といえるのかもしれません。

先進国株式市場の過去20年間のPERの推移

投機マネーに気をつけなければいけないことは確かですが、そのことから直ちに、「だから長期投資が有効な戦略でなくなった」という結論を導くことはできないでしょう。投機マネーに気をつけながら、長期投資を続けることは十分に可能です。

(続く)
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