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書評:不況のメカニズム(小野善康著、中公新書)

経済の話は、我々一般の国民には分かりにくく、おそらく政治家自身もよく分かっていないと思われる経済政策に対してきちんと反論することが困難です。経済政策のなかでも、公共事業に関しては、色々と悪用されてきた結果、「公共事業=悪」というイメージがつきまとっています。しかし、昨日の記事にコメントいただきましたように、「景気の悪化に対して、逆循環的な政策をとること自体は至極当然」なわけです。従って、「公共事業=悪」というより、「公共事業を悪用しようとする政治家=悪」と考えるべきといえます。

ところで、「悪用」ということは、正しくない使用ということですから、何が正しいかということを理解していないと、「悪用」なのかどうかを判断することができなくなります。この点、従来、「公共事業には乗数効果がある」=「穴を掘って埋めるというような、それ自体に経済的効用がない公共事業でも有効である」と考えられてきましたが、小野善康(大阪大学教授)著「不況のメカニズム」(中公新書)によりますと、乗数効果というのは、理論的にもあり得ない効果だとされています。

このことは、「しかし、次章で示すように、ケインズは貨幣のこの性質をもっぱら投資需要への抑制効果と結びつけ、消費需要とは結びつけなかった。そのため消費の限界については、あとあと新古典派からの批判の対象ともなる消費関数に固執することになり、乗数効果という論理的にもあり得ない効果へと議論を導いてしまったのである。」という部分に、端的に言い表されています。(p.78より引用)

イデオロギー論争に結び付きやすい、新古典派=構造改革派と、ケインズ経済学=修正資本主義の争いについても分かりやすく説明されています。日本の政治家で具体的にたとえると、構造改革派は見立てそのものが誤っている医者、公共事業推進派は、見立ては正しいが何をやってよいか、治療法が全く分かっていない医者といえるようです。

公共事業の国の国民としては、必読の書といえます。

不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)
(2007/04)
小野 善康

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不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)

書評リンク - 不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)


不況のメカニズム

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