セミリタイアの話から、リスク許容度を超えた投資をして痛い目を見る投資家が多いことに話題が移り、さらに長期投資の議論になってしまいました。
水瀬さんのブログでも、この点に関連する話題を取り上げています。
「長期投資家にとって短期的な変動は無視することができるため、それはリスクでも何でもない。あらかじめ約束されたリターンというものはなく、あるのは実現する保証のない単なる期待リターンのみであるから、リスクとは長期的な株式のリターンが恐ろしく悪い結果に終わる可能性と考えるべきである。」
(インデックス・ファンドの時代 J.Cボーグル著 p.13)
長期投資と短期投資ではリスクの内容が異なることには注意すべきであり、長期投資におけるリスクは、「長期的な株式のリターンが恐ろしく悪い結果に終わる可能性」であることに尽きます。長期投資のリスクが現実化した場合、やり直しができないため、多くの人は感情的にこのリスクに耐えられなくなり、ほどほどのところで利益確定してしまうわけです。
長期投資に対する反論としてよく挙げられるのは、アメリカの大恐慌と日本のバブル崩壊です。実際、この時期にアメリカや日本に株式投資していれば、長期投資しても成果を挙げることはできませんでした。
しかし、日本のバブル崩壊後に日本市場にのみ投資していれば長期投資によって成果を挙げることはできませんでしたが、日本以外の市場にも投資していれば長期投資によって成果を挙げることは可能でしたから、日本のバブル崩壊という一例のみをもって、直ちに長期投資を否定するのは、議論が飛躍しすぎています。
結局、投資で重要なのは、何を確かなものと考えるかだと思います。ある中小企業の成長が絶対に確実だと思えば、借金してその企業に投資するのが一番儲かるはずですが、普通はそこまでの確信を持てないはずです。これに対して、長期的に見れば経済は右肩上がりで成長する傾向があるという事実に対してはかなりの確信が持てますが、「長期的な株式のリターンが恐ろしく悪い結果に終わる可能性」を完全に無視することはできず、それが現実化した場合には被害が甚大であるため、分散投資(時間分散と地域分散)するわけです。従って、長期投資に対する批判をするのであれば、長期分散投資の有効性を否定する証拠を提出すべきだと思います。
何を確かと考えるかどうかが自分の中で定まる前に投資を始めてはいけないといえるでしょう。この点を深く考えずに、海外口座の開設方法とか、インターネットバンキングの操作方法など、投資の本筋とは全く関係のないところに力を入れている海外投資家が多すぎるように思います。
12/7-12/11まで香港に出張しますので、しばらくブログはお休みします。
今日のイディオム
under the weather 身体の調子がよくない
> 長期分散投資の有効性を否定する証拠
これについてなのですが、ポートフォリオの内訳、つまり分散投資した場合の各資産の相関性によるのかなと思います。
一番怖いのが、
最近のヘッジファンドのパフォーマンスで株式との相関性が少し高くなっているものがあるように、相関性があまり無いと思って(信じて)いたものが、時代の変化によって相関性が高くなってしまい、分散効果があまり効かなくなってしまった場合です。
将来の相関性は結果論でしかわからないので、ときどきポートフォリオを見直す必要はあると思っています。
それが私の場合は、大ざっばに分散しておいて、ときどき一部利確となるのですが、長期投資の目からするとかなり細かいタイミングではあるものの、好意的な表現でいうと、ポートフォリオのリバランスといえます。
このへんはもう個人個人のスタイルなのかもしれません。
でも、各資産の相関性のチェックをしてみて、相関が低いということは、あるものが絶好調なときに他のものが無反応とか絶不調ということですから、いずれにせよ投資においては精神的なバランスの維持が肝なのかもしれませんね。
長期分散投資への反論
ジョン・C・ボーグルの言葉は、本当に良いものが多いですよね。
さて、僕もブログを運営している中で、長期分散投資に異論をとなえられることが、結構あります。
いろいろと論拠を並べられて異論をとなえられるのですが、「では、どうしたらいいのでしょう?」という問い対しては、急にテンションが下がってしまうようです (^^;
外国に居住した場合の税金についても知っておかなければならない時代になりました。色々調べてみたのですが、中国本土に居住しているときに香港で資産運用すると節税できるようです。
相関の低い金融商品に分散して、長期投資するしかないように思います。
水瀬さん
「では、どうしたらよいか?」という問いに対しては、答えがないでしょうね。一般性がなかったり、特殊な知識を要求されたり、手間がかかる方法では意味がありません。
これまでのデータから、「暴落することはあっても、マーケットがなくなることはない。」というのは、確かなようですが。
ただ、
・長期投資によって短期の価格変動リスクを無視できるが、確実なリターンは「保証」されていない
・分散投資はリスクヘッジの手段でありリターンを向上させる手段ではない
点が理解されていないなあと思うことがあります。
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