遊民さんから、「ボラティリティーが増大していることの意味及びその根拠」についてコメントをいただきました。
先日の記事で言及したボラティリティーの増大は、1年単位で考えた場合のボラティリティーの増大のことです。一般に、インデックス投資家は過去のデータを使用して、1年単位で資産額がどれだけ増減するか予想し、自分のリスク許容度に合致するように資産配分を行っています。
9-10月にかけての株価の変動は、過去の暴落時と比べても、変動率が激しく、今年の金融危機によって、1日の株価の増減率の記録がかなり塗り替えられてしまいました。
投資戦略の発想法にも、1998年以降、日経平均のボラティリティーの水準が上がっていることを示す図が記載されています。
また、個別の市場のボラティリティーの水準が上がっているだけでなく、各市場間での相関が高まっているので、分散投資のリスクを低下させる機能が落ちています。相互リンク先の梅屋敷商店街のランダムウォーカーの水瀬さんは、ブログの記事で、相関係数が1にならなければ分散効果はある旨のご意見を書かれていましたが、ここでは、分散投資するだけの意味があるかどうかが問われているので、相関係数が1に近づけば、分散投資の意味はなくなるというべきでしょう。相関係数が1にならなければ分散効果はある旨のご意見は、水瀬さんにしては、やや乱暴だと思いました。
色々と議論はあると思いますが、少なくとも短期間(1年単位未満)のボラティリティーに関しては、過去のデータはそのままでは通用しないことを認めて、短期的なボラティリティーが増加していることを念頭に置いて投資戦略を検討すべきでしょう。
遊民さんも、短期間のボラティリティーが増大していることは認めておられるようで、ご質問の本旨は、長期間でみた場合にはどうか?という点にあるようです。
正規分布から外れることは、最近増えているとも聞きますし、今年のデータで過去のデータは塗り替えられていくのですから、やはりこれも変化していきますね。
遊民さんからのご質問に対する回答という形で記事を書いていますが、うさみみさんのブログでも、偶然、似たようなテーマを取り上げられているようです。
不思議なことに、インデックス投資ブログでは、あまり取り上げていませんが、短期的な変動率が高くなっているのは確かなようです。
希な出来事が起こったのか、前提が間違っているのか、理論的にはどちらもあり得ますが、あまり自説に強引にひきつけて考えるのはどうかと思います。
100年生きるという触れ込みの亀を露天で買ってきたのに、一日後に死んでしまった場合に、「今日が100歳の誕生日だったのだろう」という露天商の反論を理論的には成り立つことを認めて引き下がるかどうか考えてみるべきでしょう。
まずは『投資戦略の発想法』を読んでボラティリティ上昇を示す図を見てみたいと思います。さっそく図書館で予約しました。
いま何となくイメージしているのは、過去のボラティリティの数値自体にも平均や分散があって、それが正規分布に近い形になっているんじゃないかなと。そうすると、わずか10年分のサンプルがベルカーブの右のほうに寄っていたとして、統計学的に何らかの意味を見出せるのかどうか・・・というあたりに興味があるというわけです。
フラクタルを金融市場に適用した物で、図解も多く非常にわかりやすく書かれています。
問題提起していただいてありがとうございます。私自身は、標準偏差を利用した資産管理をしていません。不確定な仮定の値に基づいて、厳密な資産管理をしても、あまり意味がないように感じるからです。実際には、面倒だからというのが本音でしょうか。
過去のボラティリティの数値自体にも平均や分散があって、それが正規分布に近い形になっているんじゃないかなと。そうすると、わずか10年分のサンプルがベルカーブの右のほうに寄っていたとして、統計学的に何らかの意味を見出せるのかどうか・・・
→そのように考えることも、論理的には可能だと思います。データを精査してみないと何ともいえないですね。個人的には、思考の順序として、まず、今年の下げを短期的なボラティリティーの問題と捉えてよいのかというレベルで考えるべきであるような気がします。仮にDowが4000-5000に収束していくとすれば、今年の下げは長期の下げの始まりであって、もはや短期的なボラティリティーの問題ではなくなるように思います。
Sさん
書籍のご紹介ありがとうございます。そもそも正規分布なのか?という考え方も論理的には成り立ちますね。これも、データを精査していけば結論はでるように思いますが、直感的に言えば、正規分布ではなさそうな気がしています。
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