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裁判員を合法的に拒否する その1

青三さんから、裁判員を断るための理論武装について本ブログの過去記事を検索したけれど、見つからなかったというコメントをいただきました。

第一回の裁判員裁判が取り上げられた後、鳩山政権の誕生や麻薬関連の時事ネタの影に隠れた感がありますが、裁判員制度の問題が噴出するのはこれからだと思われます。これまでのところ自白事件のみのようですが、否認事件、特に直接証拠がない大型否認事件(和歌山毒カレー事件など)ともなれば、裁判の長期化は必至ですし、自白事件のように量刑だけ決めればよいというわけではありません。もう一つ問題となるのは、強姦事件でしょう。被害者のプライバシーとジェンダーバイアスがどうなるのか、事件後の精神的ショックも「致傷」に当たるのかなど(強姦致傷に該当すれば、事件は親告罪でなくなる=被害者の告訴がなくても、起訴できるようになる)、議論が尽くされているとは思えません。

ところで、今日のテレビで、弁護人が憲法違反を理由に、裁判員裁判を適用するなと主張しているようです。テレビで聞いた限りにおいては、「氏名も公表しない裁判員に裁かれるのは公平な裁判とは言えん!」という主張のようです(憲法37条違反)。この点は、私も同じような感想を持っておりました。こういう憲法違反の主張が出てくることは、このブログでも予想していましたけれど、予想どおり出てきました。私自身、若干詳しくこの問題について検討してきたので知っているのですが、驚くべきことに、国会では、裁判員法について審理らしい審理を行っていません。ということは、違憲訴訟が提起された場合に、法案の実質的審理が為されなかったことが明るみにでるわけで、その場合、どのように言い繕うのか、よく分かりません。

裁判員を断るための理論武装ですが、
①裁判員制度が違憲であることを法的に証明する。
②辞退理由に該当することを説明する。
③絶対に嫌だとごねる
という3通りの方法があります。

①は、知的エネルギーが必要ですが、最もスマートです
②は、予め裁判員法を読んで、辞退理由を探しておくという、最もオーソドックスな方法です。西野喜一著、「裁判員制度の正体」(講談社現代新書)に詳しいです。私自身は、この本を読んでいませんが、「告発」するという方法などの裏技があるそうです。
③は、「この人とは論理的な議論ができない」、「こういう極端な思想の人に裁判は任せられない」と思わせるという方法です。最も実効性のある方法ですが、知的スマートさに欠けます。

このブログでは、専ら①の方法について検討してきました。裁判員法の違憲性に関しては、色々と法律専門家の記事も読んできましたが、今一つ心に響かないので、独自の論法を考え続けてきました。

留意してきた点は、以下のとおりです。
①個別の人権条項違反(18条、19条、20条違反など)を指摘するだけでは不十分
 ∵「公共の福祉論」で簡単に合憲とされてしまう
②最高裁判所が違憲立法審査権を持っていることを忘れてはならない
→確立された最高裁判例を基に裁判員法の違憲性を論証することが有効と思われる
③多くの国民が理解できるやさしい違憲論であること
→違憲論が抽象的で難解になるほど、国民の支持が得られなくなる。国民の琴線に触れない違憲論は、法理論として正しくても無意味である。
④本質的な問題を抉り出せる違憲論でなければならない
→違憲論が枝葉末節にこだわるほど、議論が紛糾し、違憲主張派にとって不利になる
⑤法理論として正しいこと

これら全てを満たせる論法を編み出すことは、なかなか困難で、特に、国民が理解できるやさしい違憲論という要請と、法理論として正しいという要請は両立しにくいものがあります。プロの違憲論が心に響かなかった理由の1つは、③や④を無視していたことかもしれません。

(続く)
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