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外国人地方参政権問題について その3

前回及び前々回の記事での検討により、外国人への地方参政権の付与は国民主権原理に反するという考え方(禁止説)と外国人への地方参政権の付与は国民主権原理に反しないという考え方(許容説)があり、両者が対立しているということが分かりました。

許容説は、条例は法律の範囲内で定めることができるに過ぎないという憲法94条を根拠としています。法律というのは、国民の代表機関である国会で定められた法規であるのだから、外国人へ地方参政権を付与しても、それは、国民主権の範囲を超えることはできないというわけです。

ただ、このように単純に割り切ってしまえるのか疑問があります(以下は、全くの私見です。)。箇条書きにしますと、

①法律は憲法の範囲内で定めることができるに過ぎない。憲法は主権者である国民が制定した法規であり、違憲立法審査権は日本国民である最高裁判所裁判官(しかも、日本国民による国民審査も経ている)が有しているので、国家レベルで外国人に参政権を付与しても、国民主権の範囲を超えることはないという結論になってしまわないか?

②国家は条例が法律の範囲内であることを絶えず監督する義務と権限が生じることになり、外国人に地方参政権を付与することにより、国家の地方に対する統制権が強まってしまわないか?

③憲法94条は、条例と法律の効力について定めた規定に過ぎず、外国人に地方参政権を付与することの根拠とするのは不適切なのではないか?

④地方のみに決定権限がある事項は、法律で効力を否定できないのではないか?逆に、全ての事項について、法律で効力を否定できるとすると、地方自治を否定することにならないか?

以上の理由により、地方公共団体の内部で国民主権原理が維持されていなければ、国民主権のみならず、地方自治の観点からも問題が大きいといえます。

外国人に地方参政権を付与するとしても、日本人と外国人は、国民主権原理という観点からすると異質な有権者であるわけです。従って、両者を区別して扱うことが不可欠だと考えます。具体的には、日本国民である住民は、候補者AからGに投票し、外国人である住民は、候補者TからZに投票するような方式にします。

その結果、以下のような選挙結果になったとします。
日本国民である住民によって選出された地方議会議員=90人
外国人である住民によって選出された地方議会議員=10人

ケース1)
 日本国民選出議員の賛成票55票
 日本国民選出議員の反対票35票
 外国人選出議員の賛成票0票
 外国人選出議員の反対票10票

全体での結果:賛成票合計55票、反対票合計45票=可決
日本国民選出議員のみでの結果:賛成票合計55票、反対票35票=可決
日本国民選出議員のみでの結果と全体での結果が同じなので、国民主権は維持されている。

ケース2)
 日本国民選出議員の賛成票46票
 日本国民選出議員の反対票44票
 外国人選出議員の賛成票3票
 外国人選出議員の反対票7票

全体での結果:賛成票合計49票、反対票合計51票=否決
日本国民選出議員のみでの結果:賛成票合計46票、反対票44票=可決
日本国民選出議員のみでの結果と全体での結果が異なるので、国民主権原理に反する可能性がある。

ケース2)の場合に、外国人選出議員の票は無視できるとすれば、外国人に参政権を与えた意味がなくなるので、このような場合には、日本国民選出議員のみで再度討議し、賛成票を投じた議員(=全体での少数派、国民選出議員での多数派)に再投票させます。その結果、反対票が増えれば、日本国民選出議員のみの結果と全体での結果とが一致することになり、国民主権原理に反しません。反対票が増えなければ、賛成票を行使した議員には否認権の行使を認め、過半数が否認権を行使した場合には、日本国民である住民のみによる住民投票に移行します。日本国民である住民のみによる住民投票が最終的な意思決定となるので、当然、国民主権に反しません。過半数が否認権を行使しなかった場合にも、日本国民である住民の代表者である日本国民選出議員の自由意思による意思決定なので、国民主権に反しません。

議決方法がかなり複雑になりますが、ここまで、もつれ込むような議題は限られているはずであり、多くの議題は通常の決議方法で議決されるでしょう。

いずれにしろ、日本国民選出議員又は日本国民である住民に最終的な意思決定権が留保されていれば国民主権に反することはないはずです。

イデオロギー論争を戦わせるより、政策を論理的に詰めるべきだと思いますが、おそらく、そうはならないのでしょう。
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コメント

>国家レベルで外国人に参政権を付与しても、国民主権の範囲を超えることはない

これは外国人も一緒に選んだ国会議員によって憲法改正がされた場合は、国民主権が揺らぐ気がしています。
この場合には、"外国人および国民"によって制定された日本国憲法となり、国民主権とは言えなくなります。(最終的には国民の審査も受けますが、ここでも外国人の票が入ります)
また、仮に改正されなくても、現行憲法を変えないという意思非表示をしたということになり、外国人と日本人の総意で現行の憲法が維持されているとも言えそうな気がします。


いずれにしても国民国家を前提とした法で外国人参政権ということを語るのは難しそうですね。




P.S.
日本国民投票候補者と外国人投票候補者を分ける方法は思考ゲームとしては面白そうですが、やるとしたらどう分けるかが難しくなりそうですね。
田中さん、鈴木さん、山田さん、高橋さんが立候補したとして、誰が外国人枠になるのかはもめそうです。

吊られた男さん

同じ賛成派でも、国民主権概念そのものを拡張する考え方(「国民」に永住外国人を含めるべしという考え方)をとる論者が少なくないので、話が混乱しているようです。この考え方をとると、外国人も国政レベルで参政権を有するという結論になります。この考え方によれば、外国人も日本人だという結論になりますが、それはおかしいだろうというのが長尾教授の意見です。私も同感です。

国民国家を前提とした法で外国人参政権ということを語るのは難しそうですね。
→おっしゃるとおりだと思います。本ブログの記事では、「外国人に選挙権を与えた上で、且つ国民主権原理を維持できるような選挙制度は理論的に可能か?」という命題について検討してみました。外国人を意思決定過程に入れて、なおかつ国民主権原理が害されない制度を作れるのかというのですから、難しい命題です。足の遅い選手を入れて、全体のタイムを上げろというようなものです。かなり考え込んでしまいました。

論理的には、選挙段階で、外国人と日本人を分けないと、個別の事案で国民主権原理が侵害されたかどうかを判断できないのではないかという結論に達しました。

ところで、日本国民投票候補者と外国人投票候補者を分ける点ですが、本文を読んだだけでは分かりにくかったかもしれません。今までの候補者は、日本国民投票候補者として立候補すればよく、新たに外国人投票候補者として立候補したい人が自らの意思で、別枠で立候補するようなイメージです。具体的には、外国人問題に造詣が深い法律家やNPO団体代表者、あるいは外国人自身(被選挙権まで認められた場合)を想定しています。

ところで、論理的に国民主権原理を侵害しない選挙制度があるとしても、何故、そうまでして導入する必要があるのか?という疑問が残ります。この点については、いつか別の記事で検討したいと思っています。


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