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租税条約を勉強しよう その2-租税条約は海外投資家の強い味方

総論的な話題が続いたので、海外投資特有の話題である租税条約を取り上げたいと思います。

海外口座を開設して海外投資を開始すると、租税条約のお世話になる場面に頻繁に出くわします。

租税条約の目的の中でもっとも大きなものは、二重課税の排除と両国間での情報交換です。前者についてはメリットになりますが、後者についてはデメリットとなる可能性があります。ただ、バイアンドホールドで無配当のファンドを保有し続ける投資戦略を採用すれば、課税されるべき利益が発生しないので、両国間の情報交換といってもさほど恐れる必要はなく、メリットの方が大きいといえます。なお、香港と日本の間では租税条約が締結されていませんが、投資に関しては現地での課税がないため二重課税がそもそも生じず、租税条約がないほうが、両国間の情報交換が為されないためにメリットが大きいといえるかもしれません。

条約は、二国間での決め事であるため、国内法や通達のように日本の国家機関が勝手に変えることはできませんし、日本の現行憲法上、条約は国内の法律に対して優位すると解釈されており、所得税法にもその旨の規定があります。

日本の国家機関の恣意的な法改正に対抗する手段として、租税条約の知識は非常に重要な武器になると考えられます。

日本が租税条約を締結していない主な国・地域は、香港、台湾(香港台湾は日中租税条約の適用外)、UAE、グアム、サイパン(グアム・サイパンは日米租税条約の適用外)です。租税条約を締結していない国(情報交換が為されない)と租税条約を締結している国(二重課税が排除される)を巧みに組み合わせることで、面白いスキームが組めるのではないでしょうか?今後の記事で詳しく検討していきたいと思います。
→租税条約以外にも二国間の税務当局での情報交換について定めている協定(テロ対策関連の協定など)などはありますので、租税条約を締結していない国=資産に関する情報が完全にシャットアウトされている国というわけではありません。

勘違いしやすいですが、シンガポール及びスイスは、日本と租税条約を締結しています。

今日のイディオム
eat in 家で食事をする


租税条約を勉強しよう その1

海外で暮らしている日本人は既に100万人を突破しているといわれています。さらに、日本で暮らしていても、海外で資産運用している方、日本と海外を頻繁に行き来している方などもたくさんいるはずです。海外投資や海外移住者にとって国際税務の知識、特に租税条約の知識は必須ですが、初心者向けの入門書が発刊されましたのでお勧めしたいと思います。

「これならわかる!租税条約 藤井恵著、清文社」

価格は3,000円と若干高めですが、同じような内容の破綻本を何冊も購入するのであれば、この本を購入すべきだと思います。

日米租税条約だけでなく、日中租税条約についても言及しているので、中国本土在住者は必読です。

①ドイツ系の会社に所属する日本人が中国に住み、ドイツ本社から給与を受け取っている場合、納税地は?適用される租税条約は、日独租税条約か、中独租税条約か、日中租税条約か?(答えは同書p.23)

②日本が「遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約」を締結している唯一の国は??(答えは同書p.30)

③スイスに永住権を持っているにもかかわらずハリーポッターの翻訳者が、日本で課税されたのは何故か?(ヒントは同書p.311)

④ゼロクーポン債の償還差益などへの課税に関連する、その他の所得条項(other income provision)とは?

今後、好むと好まざるとにかかわらず、国際税務関連のトラブルに巻き込まれることが多くなるでしょう。租税条約をしっかり勉強しておけば、安心して海外投資を行えるはずです。

本人確認法の強化と海外投資

本人確認法の改正による本人確認の強化のため、2007年1月4日以降は、ATMでの現金振込限度額が10万円以下に制限されてしまいます。kzさんの香港資産運用奮闘記でも、この件を取り上げています。

まず、ATMによる送金が10万円以下に限定されるのは、ATMで現金を送金するケースだけです。

・現金20万円を携帯して銀行を訪れ、ATMに入金して送金する。
→ATMでの送金は不可=窓口で本人確認をした上で送金する

・既に預金口座に預け入れてある20万円をATMで送金する。
→ATMでの送金は可=窓口で本人確認をする必要はない

☞詳しくはこちら

金融監督庁の説明書によれば、他人の口座に送金する場合にのみ本人確認が必要であるように読め、自分の口座に現金を預け入れる場合は本人確認は不要であるように読めますが、この点はどうなのでしょうか?ご存知の方がおられれば、お教え下さい。

仮に自分の口座に現金を預け入れる行為には、本人確認は不要であるとしても、将来的に、さらに強化されて、自己名義口座にATMで現金を預け入れる行為も本人確認の対象になる可能性はあるでしょう。もしこのような強化が為されれば、海外口座に預け入れてある資産を、匿名のまま日本に戻すことは難しくなると予想されます。

現在のところ、海外口座に預け入れてある資産を日本で使用するためには、郵便局などのATMで日本円を引き出し、これを日本の口座にATMで入金することが多いと思います。もし、自己名義口座に10万円超の現金をATMで入金できなくなったら、本人確認を回避して1億円を日本の口座に戻すためには、10万円×1000回をATMで入金するしかなくなります。

また、海外口座に相続が生じた場合、海外銀行に口座名義人(被相続人)の死亡を届け出ずに、被相続人のパスワードとキャッシュカードを相続人がそのまま使用して日本の口座に資産を戻そうとしている方が多いと思いますが、日本サイドで本人確認が強化されれば、相続人が本人確認を回避して被相続人の海外資産を日本に戻すことも困難となりそうです。

やはり、海外に出した資産は海外で使うことを本則とすべきだと思います。

200万円を超える海外資産を、国内口座宛に電信送金した場合の報告義務の強化予想についての記事はこちら



200万円を超える海外送金の報告義務その4

200万円を超える海外送金(又はその受領)については、金融機関(郵政公社を含む。)から所轄税務署長への報告義務があります。

別に課税逃れをする目的ではなくても、そのような調書が税務署に送付されることを避けられるのであれば避けたいと思うのが通常でしょうから、200万円以下の金額で何回かに分けて送金すればよいのかという疑問が当然浮かびます。

結論的には、現行の法律上は、200万円以下の金額に分けて送金又は受領すれば、税務署長への報告は回避されます。ただ、海外資産の把握が困難なことからすれば、このような回避法が乱用されれば、当然、200万円という金額を引き下げることが考えられます。

以下、「Q&A改正外為法と海外投資の税務 株式会社ぎょうせい、山田煕編著」の記載を引用しながら検討します(以下、「」内は引用)。

まず、海外送金調書の提出が必要な金額が200万円に決まった経緯は、以下のとおりです。
「大口送金を200万円以下の複数の取引に分散して送金したようなケースについては報告する必要がなく・・・容易に報告義務回避を行うことができます。・・・このような抜け道に対しては、基準額を引き下げることにより対応することも可能ですが、報告基準額の設定に当たって当初100万円以上であったのを、金融機関等の反対により200万円超に緩和した経緯もあって、簡単に引下げというわけにはいかないと思います。」

海外送金は、個人の海外投資以外に、貿易業者その他海外取引でも頻繁に行われていますから、100万円以上で報告義務を課すことにより、金融機関等の事務処理が増えることは確かでしょう。ただ、書籍の発刊は1998年であり、その後、個人の海外投資が非常に増えているという事情およびこの書籍の発行後に米国でのテロが発生したという事情に鑑みれば、金融機関等から反対があるというだけで、引下げが簡単でないということはできないように思います。引下げや要件の厳格化が行われるかもしれないと考える具体的な理由は、以下のとおりです。

①現金での持ち出し及び持ち込みは、100万円超で申告が必要であるので、それとの整合性を図る。
②「アメリカでも、金融機関等に対して報告・記録保存義務が課されており、その額は1万ドル以上の取引である。」
→この金額は変更されている可能性があります。
③「米国では、金融機関が小口分散化を知っている場合には、金融機関に名寄せの義務がある旨の規定を設けています。また、刑罰面で、小口分散化による脱法行為に対しては、刑法上の間接正犯の考え方を立法化して、取引の相手方(注:送金を行った者のこと)を報告義務違反として処罰対象としています。」
④海外送金調書は電子媒体での提出も認められている(海外送金調書法第4条第2項)ので、コンピュータで管理すれば、金融機関側の事務処理の負担を軽減することは不可能でない。

以上の考察を前提にすれば、①200万円超という金額の引下げはあり得る。②引下げられる場合の金額は100万円超になる可能性が高い、と思われます。

また、米国では、金融機関に名寄せ義務を課していることとの関係で、金額以外の要件、例えば、年間の送金回数をや送金総額を要件に加える可能性はあり得ます。
→米国では、間接正犯の理論を応用して、小口分散化した送金者本人を報告義務違反で処罰していますが、「小口分散」の定義が曖昧ですし、正確には間接正犯といえないので、送金回数を要件にするのが正しいと思います。

まとめますと、以下のような要件になると予想されます。
①金額要件は100万円超
②年間送金回数又は送金総額を要件に加える
③法人と個人で要件を変える
→あくまで予想ですので、このとおりになるかどうかは分かりません。



200万円を超える海外送金の報告義務その3

ご存知のように、日本の金融機関(郵政公社を含む。)から200万円超の海外送金をした場合には、当該金融機関から所轄の税務署宛てに海外送金調書が送付されます。日本の税務署が、海外の金融機関に預けてある資産を調査することは(不可能ではないにしても)かなり困難ですので、税務署側から見ると、日本から海外に向けて送金した段階で、資産を捕捉できなければ適正な課税は非常に困難となります。

200万円を超える海外送金に関する調書の提出の根拠条文は以下のとおりです。読みづらいので、重要な文言に下線を付しました。

内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律
(国外送金等調書の提出)
第四条 金融機関又は日本郵政公社は、その顧客・・・が当該金融機関の営業所等又は郵便局等を通じてする国外送金等(その金額が政令で定める金額以下のものを除く。)に係る為替取引を行ったときは、その国外送金等ごとに次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事項を記載した調書(以下「国外送金等調書」という。)を、その為替取引を行った日として財務省令で定める日の属する月の翌月末日までに、当該為替取引に係る金融機関の営業所等又は郵便局等の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
 一 国外送金の場合 その国外送金をした顧客の氏名又は名称、当該顧客の住所、その国外送金をした金額、その国外送金に係る前条第一項の告知書に記載されている送金原因その他の財務省令で定める事項
 二 国外からの送金等の受領の場合 その国外からの送金等の受領をした顧客の氏名又は名称、当該顧客の住所(国外からの送金等の受領がその者の本人口座においてされた場合には、住所又は当該本人口座が開設されている金融機関の営業所等若しくは郵便局等の名称及び所在地並びに当該本人口座の種類及び番号)、その国外からの送金等の受領をした金額その他の財務省令で定める事項
→国外から送金を受領した場合にも、金融機関から税務署長への報告義務はありますので注意が必要です。
→「その金額が政令で定める金額以下のものを除く。」という柱書きの文言は、「二 国外からの送金等の受領の場合」にもかかりますので、国外からの送金を受領した場合にも、200万円を超えなければ、金融機関等は所轄税務署長に国外送金調書を提出する必要はないことになります。
この条文を見ると、「その金額が政令で定める金額以下のものを除く。」と規定されていますので、200万円という金額は法律ではなく、政令で定められているものに過ぎないということが分かります。

200万円という金額を定めているのが、「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令」の第8条第1項です。
(国外送金等調書の提出を要しない国外送金等の上限額)
第八条  法第四条第一項に規定する政令で定める金額は、二百万円とする。

問題は、この200万円という金額が下げられる可能性ですが、この点については次回以降に検討したいと思います。


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